文章:(塚)
昨年のニコリ出版物に載ったパズルから、特に印象に残ったものをみんなで推薦し合って称える「ペンシルパズル・オブ・ザ・イヤー」。今年も発表の時期がやってまいりました。
今回は、2021年1~12月に発行された本から、みなさまに作品を選んでいただきました。熱烈なコメントをお寄せいただいたみなさま、ありがとうございました。ニコリスタッフからの推薦と合わせて、さっそくご紹介いたしましょう。

コメントは、本の発行日順(同じ本の中ではページ順)に並べてあります。コメントの後ろのカッコ内は、推薦者の名前です。
ネタバレになるようなコメントもそのまま掲載していますので、その点はご注意くださいね(ネタを知ったうえで解いてもそれなりに楽しめるものばかりだとは思いますが)。

パズル・ザ・ジャイアント34号

○ダブルチョコ2番(P.23) 作●ひこうき
・真ん中の大仕掛けもさることながら、その周りの数々のギミックも技巧的で、原作者の愛と作問力を感じる秀逸な作品だと思います。
(けーえぬわい)

○ナンバーリンク1番(P.35) 作●ぽっつ
・何といっても数字の配置が美しい! そして全体がひとつながりになっているという、驚愕の作りこみ方。どうやればこんなに素晴らしい問題が作れるんだろうと、解く前から見事さに惚れ込んだ作品。
(ヤナヘー)

○へやわけ2番(P.43) 作●hm
・盤面のそこかしこで見た目を含めた自己主張を行いつつも、解き味を損ねずに無理のない難しさでまとまっていたのが良かったです。
(将)

○スラローム3番(P.76) 作●いずみすもも
・ループパズルらしさ、というより、メイロ的?というかゲーム的?な面白さが先に立つというか、旗門の数字がとても大事な問題。こういう傾向の問題がこれまでどの程度あったかは個人的にあんまり認識してないですが、独特な味を感じた。
(も)

○スラローム4番(P.77) 作●あるかり工場長
・まず、19の旗門がこんな所に?という驚き。近い旗門のかたまりごとに部分的に解き進め、徐々に全体を積み上げる感覚。そして最後まで意表を突く結び方。スラロームは普段は、極力消しゴムを使いませんが、これは消しゴムなしには絶対に解けなかった作品で、完成の瞬間まで楽しめました。
(ヤナヘー)

○フィルオミノ4番(P.81) 作●OX
・音楽は聴いてくれる人がいないと、料理は食べる人がいないと、と同じで、ペンシルパズルは誰かが解いてくれないとしょうがないわけであると。音楽への情動や料理のおいしさがそれを聴いた人や食べた人の中にしか生まれないのと同様、パズルの面白さも解いた人の中にしか生まれないわけです。
そうなると、解いた人をどれだけ楽しませることができるのか、というのがパズル制作における最優先テーマになるのはまあわりと必然じゃなかろうかと思います。
(そしてここで「解いた人」をどう想定するかというのが面白くも難しい話になっていくわけですが、今宵は省略)
で、OX氏のジャイアントフィルオミノは、解く人を飽きさせないよう、鉛筆を走らせた労力の分だけちゃんと楽しませようという工夫が毎年随所に見られて(しかもなんか近年のほうがその傾向が強い気がして)、その姿勢にはけっこう信頼感がある。
(も)

○シャカシャカ2番(P.83) 作●Guten
・期待通り&期待を裏切る中央部が圧巻!
(RN)

例年通り、たくさんの推薦が寄せられた「パズル・ザ・ジャイアント」。盤面が大きいがゆえに、解いたときの驚きや感動も大きく、より強く印象に残るのでしょうか。そんな本になっているのなら、嬉しい限りであります。

パズル通信ニコリ174号

○パズル41連続攻撃(P.4、70)
・答えにしたい2021が素数の積だと知っていること、その素数を都府県数の計算で表せること、それを計算させる問題文を17文字種+濁点で表記していることなど解き終わってうなってしまいました。このパズルを作ったのはきっと桃太郎でなかった金太郎でもない金(メダル)ダロウ!!
(鴈野敏生)
・答えにびっくりした。答えの数値は「あるかけ算」で有名なのでそこから思いついたのかも知れませんが、綺麗に決まりましたね。
(山本祐輔)
・いろんなものをちょっとずつというのは、ただただ楽しいですね。食わず嫌いのパズルをやってみる良いきっかけになった人もいるのではないかな、と。
(く)

○スラローム5番(P.81) 作●靄
・線の挙動に迷いがない、さわやかイケメンスラロームでした。
(半袖)

○ビルウォーク3番(P.97) 作●Guten
・なるほど! ビルウォーク大好きです。
(なな)

○ダブルチョコ2番(P.98) 作●ZON
・2だけでここまでできるんだなぁ。すげーなー。
(半袖)

174号の懸賞パズル2は「パズル41連続攻撃」。一口サイズのパズルを矢継ぎ早に41問解き、最後に現れた問題文に答えるというものでした。見開きページにいろんな種類の小さな盤面たちがびっしりと詰まっていて、まるでパズルのおもちゃ箱。見た目もにぎやかでワクワクしてしまいますね。

じっくり推理パズル

○3番 ファッショナブルな6兄弟(P.6) 作●ヤンマー部隊隊長
・顔のパーツを推理させて、答えはどういう顔になるかという問題。答えさせ方が新鮮。
(も)

○27番 つみきであそんだよ(P.36) 作●おーもりみき
・イラストを描く推理パズル。実際にこんな遊びが出来そうで楽しい。
(く)
・文字や数字ではなく図形のイラストで答えさせるところがユニークで印象的でした。
(塚)

○58番 誰がどこの席?(P.82) 作●深駆
・設定が楽しかった。難易度もちょうど良かった。
(なな)

○69番 数独を作ろう(P.100) 作●けーえぬわい
・表現の幅が広い形式を活用して、おまけの問題も解いてもらえるようにしよう、というサービス精神がステキです。
(まいなすよん)

○71番 レッツじゃんけんポン!(P.104) 作●まいなすよん
・具体的なところは忘れてしまいましたが、手が詰まって、何が手がかりとなって進むのかわからなくなる局面があり、そこで一生懸命考えたら、細い論理がたくみにつながって、なるほど、みたいに思った記憶がある。
(も)

○73番 出たり入ったりリモート飲み会(P.108) 作●クラヴハンマー
・具体的なところはまたも忘れてしまいましたが、ヒントが全然少なくて、これは本当に解けるのか?と思った局面があり、何かに気付いたら華麗に解けた、という記憶がある。
ちなみにこの本、マトリックスを使わない推理パズルばっかりの本でして、つまりは全部不定形なので、各問題ごとに考えるポイントはいちいち違うし、定石みたいなのも当然ないしというわけで、1ページごとに本当に油断ならないのね。物理的なページ数とは裏腹にすごい厚い本であります。
(も)

「じっくり推理パズル」は、マトリックスを使わない推理パズルを集めた本。このタイプの推理パズル自体はニコリ本誌の特集パズルなんかでもよく見かけますが、こういうのだけを集めた本というのは意外にもなかったので、新しい試みでした。テーマがとにかく多岐にわたっていて、楽しい1冊です。

まんぞくカックロ

○103番(P.60) 作●真坂川ラッコ
・この本にはジャイアントサイズのカックロが20問載っているのですが、これはその1問目。このサイズにしてはかなりやさしめにできていて、大きな盤面にスイスイと数字がうまっていくのが心地良かったです。ジャイアントサイズのカックロというと基本的には上級者向けなのですが、こういうやさしさのある問題もいいものだなと思いました。
(塚)

パズル通信ニコリ175号

○光をたどって(P.4) 作●検見軽来人
・内部制作で恐縮ですが、事前に想定していたのを上回ってきれいだったので。撮影した大江さんありがとう、ということかもしれない。
(も)

○Color Maze Composition(P.10) 作●お便所コーロギ
・美意識が見事。世界に通用する美意識です。
(山本祐輔)

○フィルオミノ7番(P.21) 作●コーヒーまめ
・大きい空白の中央部で発生の手筋をうまいこと入れていたので、おぉと思った。
(も)

○クロスワード1番(P.30) 作●白川京一
・テーマに関する部分も見事です。ただ特筆すべきは、日本語クロスワードを作ると避けることができない、クロスを組むと発生してしまう堅めの熟語のヒント付け。クロスワードとして主題が立派でもこの部分が疎かだと一挙に印象が悪くなるだけに、丁寧にすっと答えが出てくるヒントをつけていて、ストレスなく解けてとてもいい印象でした。
(山本祐輔)

○クロスワード3番(P.32) 作●前島奬太
・抽象的なカギが多くてとっつきづらかったのですが、テーマに気付くとスラスラと解けていき、楽しかったです。
(RN)

○ナンクロ2番(P.35) 作●高由良りむ
・初めから明かされている「キ」「ン」「ム」の文字を書き込んだ後、早くも膠着状態に陥ってしまいました。長年ナンクロを解いてきましたが、こんなことは初めてでした。ようやく入り口が見つかったときは嬉しかったです。
(ゆでた丸)
・テーマとなっている長い単語が決まっていく流れが心地よかったです。
(RN)

○NO! 3密メイロ(P.38) 作●矢野龍王
・「3密」という概念をそのまんまメイロのルールにしてて、へへぇと思った。
(も)

○密集のブロック(P.39) 作●齋藤スバル
・ふつうによくできたルールだなあと。ディスプレイ上で解きたい。
(も)

○4密将棋(P.47) 作●ぽんこっつ
・将棋アレンジルールにありがちな、すごい頭の中で先読みする感じもなく、パズル感がほどよい。アンケートも好評でした。たまに載っても全然よさげ。
(も)
・駒の動きくらいしか知らない将棋ビギナー(私のことです)でも楽しめましたし、なんかこう品が良いと言いますか、コレ自体が独立した一つのパズルの「型」という感じで、印象に残りました。
(天)

○ビルウォーク3番(P.94) 作●USBe
・盤面全体を見て、あることに気付かないといけない問題。
(も)

○おれひとりシークワーズ3番(P.103) 作●山本祐輔
・すべてのカギが数字と記号だけでできていて、数字の並びからいろいろな言葉をひらめく過程が面白かったです。
(塚)

○ネットワーズ2番(P.105) 作●ぺそぎん
・2つの別のイラストで言葉は1つ!といった形式でのヒントが面白い。同音異義語とは少し違うし、何と言えば良いのでしょうか。異絵同音語?こんな言葉ないかっ。
(三瀬史学)

○漢字抜け熟語(P.106) 作●古都水
・問題や答えに使われている漢字のチョイスにこだわりを感じさせる、楽しい作品ですね。それでいてムチャな解かせ方をさせる部分がない。生き生きしてます。
(竹)

○へやわけ13番(P.111) 作●SAnd
・この最初から最後まで疾走する感じは誰にでも出せるものではありません。初夏の蒸し暑さを忘れる名作でした。
(半袖)
・言葉で表現できない、パズルならではの良さがあります。何というべきか、テンポが良いというか、ナイスなタイミングで手筋や分断禁が出てくるのが心地よいというか……。黙々と解ける良問でした。
(けーえぬわい)
・何度もひっかけられました。ニコリを確認しなおすと、いろいろと軌道修正した跡があって、苦労したことを思い出します。
(まいなすよん)

ニコリ175号の特集は「密」でしたが、特集パズルからレギュラーパズルまで、票はまんべんなく入ったのでした。ありがたいことです。

超激辛数独9

○66番(P.73) 作●福神ヅケ
・選び抜かれた超激辛作家陣の中でも特に、解けた後の余韻が心地よい福神ヅケさん。その中でもこの問題は、精緻に組み立てられたトランプの家のような美しさにうっとりします。
(グレイひつじ)

○79番(P.86) 作●おく山みつゆき
・おく山みつゆきさんの底知れなさは別格です。この問題に限らず、基本の解き方を積み重ねるうちに思いもよらないところから予約や井桁が飛び出してくるのには毎回驚かされます。頭の中を見てみたい。
(グレイひつじ)

マンガで数独がわかる本

○本全体 企画●ヤキオ
・なんか今見返してたら、この本すごくいい本だなーと思ったので、ペンパオブザイヤーの趣旨とはずれますが、推薦してしまおう。数独をちゃんと身につけたいと思う人にとってはすごくいい本ですねこれ。数独をちゃんと身につけたいと思う人が身近にいたら、ぜひすすめてください。ちなみに数独仙人のビジュアルは実在の人物をモデルにしており、実はほぼ似顔絵なんですよ。
(も)

パズル・ザ・ジャイアント傑作選4

○美術館・ザ・ジャイアント2番(P.69) 作●Guten
・スマニコリの美術館作家陣の中でも一番好きなGutenさん。紙版も「盤面が美しい」「解いて楽しい」「無駄なマスがない」の三拍子揃った良問でした。
(グレイひつじ)

○ヤジリン・ザ・ジャイアント6番(P.90) 作●天歩
・今やニコリスタッフの天歩さん。ヤジリンの生みの親だけあって、インパクトある見た目と、時に遠くの数字がいい仕事をする解き味のよさにしびれました。
(グレイひつじ)

「ジャイアント傑作選4」に掲載されているパズルは、初めて世に出たのは2000年代後半ごろなのですが、初出から十数年の時を経て傑作選に載ったものを解くことによって、新たな魅力に気づくということもあるでしょうし、そういった体験ができることこそが傑作選の良いところなのではないでしょうか。

ペンシルパズル三昧 スリザーリンク中上級1

○47番(P.56) 作●中井亮平
・ある考え方をフィーチャリングした問題。ありそうでなかった手筋。(いやさすがに初出ということはないかなーとは思うんですが、私は記憶になかったので)
(も)

○57番(P.67) 作●真坂川ラッコ
・SLEEP ZZZ というデザインだ!と気づいて感動しました。
(船越みお)

パズル通信ニコリ176号

○Color Maze Composition(P.10) 作●お便所コーロギ
・久しぶりの壁文字タイプで、仕掛けがとにかくびっしり詰め込まれています。の割に、出来上がりが一目瞭然でかわいい。
(く)

○ナンクロ1番(P.30) 作●冴戒椎也
・仕掛けが見事でした。これは解かないとわからないのでその意味でも告知したいと思います。
(山本祐輔)
・序盤、普段使う頻度が比較的少ないラリルレロの文字を中心に、他の文字がするすると明かされていくのが新鮮で面白かったです。そして、終盤にはナンクロで今まで見たことがない趣向が出てきて驚きました。
(けーえぬわい)

○とりあえず小問14連発 6番(P.35) 作●芦川雄大
・「昨日」「今日」「明日」というのがヒントになっている謎解きで、ぱっと見、どこかで見たことありそう、すぐわかりそう、という感じだったのに、けっこう悩んだ。
(も)

○とりあえず小問14連発 8番(P.36) 作●ハッソウトビ
・いわゆる「謎」問題は発想が自由なだけ、非常に独善的な問題になる危険性もはらんでいます。しかしこの問題はイラストを付け加えることで、親しみやすさとユーモアを感じられました。楽しい謎解き問題という印象を与えることに成功していると感じました。
(山本祐輔)
・難しくなく実直に解ける部分と、ひねった部分が相まって、解けるとニヤリとする。
(も)

○ナゾトキファンタジー ドラゴンを倒せ(P.39) 作●夜勤中
・まず、見た目で解きたい!と思いました。解くうちに抜群の面白さだ!と感じました。
(船越みお)

○ましゅ5番(P.75) 作●きょうや
・しつこくない程度のループ禁がちょうどよい塩梅に押し引きする問題。家系ラーメンの名店といった感じの良問。
(半袖)

○四角に切れ4番(P.76) 作●ひこうき
・表出数が8と12だけ。ちゃんと手が止まる場面もあって○。
(も)

○スラローム5番(P.81) 作●ひでち
・大胆な左上部の空白にビックリ。そしてナンバーリンクを思わせる解き味。こんなこともできるんだなぁ、という作者の創意に拍手です。
(ヤナヘー)
・176号は謎解き特集(いま見てもアンケート記事の面子がスゴイ豪華)だったり、(起)の訃報だったり(この号が出てからの反響がさらにすごかったですが…)がフォーカスされがちなのですが、スラロームが2P+ジャイアント掲載と大活躍した号でもあったのです。5番は特にインパクト大きかったんではないでしょうか。スラロームの特徴は「100%理詰めであることを前提にカンでも解ける」という柔軟性だと思っているんですが、それがうまく出ていた作品だったな、と。
(天)

○ふくめん算3番(P.89) 作●ひこうき
・ダブルチョコ原作者による、ダブルチョコがテーマのふくめん算。その名の通り(?)「CHOCO」が2回使われているし、「DOUBLE」と「CHOCO」以外の余計な単語がないのも美しい。パズルの名前がほぼそのままふくめん算になってしまうなんて、驚きました。
(塚)

○カックロ5番(P.90) 作●まいなすよん
・中央部の大量の45が無理なく埋まっていって、作者の技量の高さを思い知らされました。
(RN)

○のりのり7番(P.91) 作●黄色い烏
・盤面を広くたどっていくと最終的に1つののりが決まるという、見たことのない手筋に驚きました。しかも2回も出てきてびっくりです。
(どもも)
・いずれにしてもここはぬれる、という考え方でドキドキワクワクしながら解きました。
(こいぬのワルツ)
・新ギミックが良かったです。のりのりも登場してもう10年くらいになるのに、まだ新しいことができるんだと、嬉しい気持ちになりました。
(けーえぬわい)
・大技をフィーチャリングした着順発表問題。これはさすがに新しい筋でしょう。たぶん。ところで、のりのり界にはちょっとした先読みを要求する、あんまりスマートじゃない手筋がけっこうあります。しかもわりと手軽に入れることができるのですが、そこをぐっと堪えて、スマートな考え方だけで面白くするのにけっこう技術がいる、と個人的に思います。技術というより、スマートかどうかを見極める力というか、こういう手筋は入れない!と決める胆力というべきものか。ま、そんなわけで、この問題はさすがにだいぶ高度でそうそうマネできないっすけども、傾向としてロジカルでスマートな考え方で難しくするのりのり、というのはありがたいですね。
(も)

○ビルウォーク5番(P.95) 作●Guten
・じりじりと進んでいくのが楽しいんです!!
(なな)

○ボンバーワーズ2番(P.99) 作●ふーなんとかさん
・ボンバーワーズの異端技の2022年4月現在の最高到達点のやーつ。オモパは新手筋・新展開を開発し、その領域を広げるのがとても大事なので、その意味でも評価。
(も)

○ジグソークロス2番(P.104) 作●井亮平
・ジグソークロスは、カナでなく漢字でも別にいい、という素朴な発見。同じ漢字をたくさん入れないといけないので作るのは大変そうですが。ペンネームも問題内容にかけていて、この遊び心よ。
(も)

○ストパな漢字(P.105) 作●うまや天国
・こんな発想もあったかーっていう。意外と悩ましい問題もあって素敵。掲載当時は考えてなかったけど、今思えば、漢字パズルでテーマになる要素って「書き」「読み」「パーツを組み合わせる」あたりが中心ですが、このパズルって「書き順」がメインになってるんですね。これは珍しいかも。
(も)

○ドッキング漢字1番(P.106) 作●常夏JC
・パッと見では気づきにくいのですが、左側の部品がどれも1~3個のカタカナ(っぽい部品)で構成されているという意欲作です。サクッと解けるやさしさも高ポイント。
(竹)

○ましゅ7番(とじこみ2) 作●船越みお
・自分の作品ですが、ましゅのファンが増えるといいなーと思い、紹介させてください。
(船越みお)

175号に続き、176号でも多くの推薦がありましたよ。ニコリスタッフからのコメントも殺到しまして、秋にふさわしい豊作の号となりました。

ペンシルパズル選書 ヤジリン1

○1番(P.12) 作●白川京一
・ヤジリンをまったく知らない人でも、ルールと例題を確認してすぐ解き進められるやさしい問題。この問題に限らず、白川さんはやさしくて良心的な問題を作るのがとてもうまい印象があります。
(将)

おうちで数独・推理パズル Vol.1

○推理パズル9番 どれも変わった入浴剤(P.84) 作●じるし
・難しくて、何度か解き直して、やっと解きました。推理パズル好きな人にチャレンジしてほしいです。
(船越みお)

○推理パズル11番 8人兄弟、それぞれの旅(P.88) 作●原理恵子
・「お土産なし」に笑ってしまいました。難易度がちょうど良かった。
(なな)
・マトリックスといっしょに使うカレンダーの埋め方が絶妙だったような記憶がある。
(も)

○推理パズル12番 とらわれた華麗なる怪盗(P.90) 作●しんまけ
・さらさら解ける軽めパズル多数掲載がウリの「おうち」シリーズですが、実は推理パズルで何問か、エキスパート向けな作品が載っています。推薦作は文字情報+地図を使って解き進める、お好きな方にはたまらないやつです。推理パズル愛好家の方、ぜひバックナンバーをお手元に!
(天)

いろいろなパズルに懸賞がついていたり、本が雑誌のような形状だったりと、これまでにはなかったタイプの新シリーズ「おうちで数独・推理パズル」。
推理パズルは、おもにニコリ本誌向けの投稿作品から選ばれた問題(ニコリ本誌には未掲載の新作)なのですが、推理パズルの投稿作品がこれだけまとめて載ることはなかなかないので、そういった意味でも新鮮な本かもしれませんね。

ザ・ペンシルパズル2022

○ヤジリン16番(P.7) 作●ぺそぎん
・黒マスを使った論理的な難しさが光る問題。今までのニコリではあまり見なかった考え方ですが、配慮があるのでアリかなと思いました(この考え方が使われている投稿作品を最近いただきました。惜しくもボツで、しかしどこかでおひろめしたいのですが…)。反響はあまりありませんでしたが、賛否などのご意見をお待ちしています。
(将)

○ヤジリン20番(P.9) 作●willow
・まず見た目が美しい。そして、ラストの中央部の決まり方が芸術的。
(RN)

○ダブルチョコ8番(P.16) 作●中井亮平
・定番の配置なんですが、数字の入れ方が絶妙で最後の1マスまで楽しめました。
(半袖)

○ダブルチョコ15番(P.17) 作●盥
・数字付きチョコの相方が上手く見つかると、数字無しチョコもパシッと決まる。この流れが気持ち良かったです。
(三瀬史学)
・左上と右下の対比がおみごと。入り口が1カ所だけで一本道で最後まで行ってしまうというのは減点対象なのですが、それを補って余りある、という展開でした。
(も)

○チェンブロ9、11、13、19番(P.54、55) 作●ふーなんとかさん
・どの問題がどう、という感じではなく、全般的にふわっと推薦。ふーなんとかさんさんは投稿作それぞれの手筋の幅が広くハズレが少なく、全般的にうまいなーとこのとき特に思いました。さすがチェンブロ考案者のふーなんとかさんさんさんという感じでしょうか。しかしオモロパズルのあるパズルの原作者が作問もうまいという場合がけっこうあって、一見当然っぽいけれど反例もそれなりにあるので、考えてみると謎ではある。
(も)

○チェンブロ20番(P.55) 作●けーえぬわい
・気づき一発の派手なこの問題、チェンブロならではの展開、全部つながって爽快(韻ふんでみた。特に意味なし)。21番の中サイズ問題も力作だった記憶がございます。さすがは目下最強ペンパ作者(の1人)。
(も)

○ドッチループ21番(P.59) 作●いわき石川
・気づき一発の派手なこの問題。展開としてはこれまでもあったけれど、来そうな一歩手前で仕掛けられたという感じで意表。
(も)

「ザ・ペンシルパズル2021」までニューパズル枠だったダブルチョコは、「2022」でついにレギュラー枠に。個人的には、このパズルは中サイズ(16×16マス)くらいがちょうどいいかなあと思っているので、たくさん載るようになって嬉しいです。

パズル通信ニコリ177号

○ダブルチョコ13番(P.21) 作●ブレンダ
・何度も行き詰まり、書いては消し書いては消しを繰り返した挙げ句、方眼紙を切って合わせてようやく解けた、アゼン認定にも納得の一問。ダブルチョコの奥深さを再認識しました。
(グレイひつじ)

○カニ? カニカマ?(P.37) 作●しんまけ
・ユーモラスな設定をコンパクトにまとめて、気張らない1ページ推理パズルとしてちょうどよく仕上がっていると思います。
(まいなすよん)

○カニ抜け熟語(P.40) 作●おーもりみき、鴈野敏生
・問題としてもよくできていると思いますが、しれっとカニテーマで提示するところが特によいです。
(まいなすよん)

○「カニ」のふくめん算(P.40) 作●武純也、鴈野敏生、しょっかー中はら・、まいなすよん
・この号のふくめん算4問は、試行錯誤が少なく、推理でうまく数字をしぼれる楽しい問題が揃いました。楽しめますよ。たぶん。
(も)

○有名人カニ好きチェック(P.42) 作●夜勤中
・面白い。テレビ番組を知らないけれど良く分かった。難易度もちょうど良かった。
(なな)
・まさかあの番組のシステム(?)を推理パズルに落とし込んでしまうとは。さらに、元ネタの番組でおなじみの、司会者のチェックまでもヒントとして活用されていて、パロディが楽しくリスペクトにあふれた一品でした。
(けーえぬわい)
・カニというテーマから、よくこの設定にまで持っていけるなというので1つ感心。おいしいカニを5種類揃えつつ、挑戦者名もカニを絡めたパロディ名前ですべて統一しており、スキがない。ただまあ、この問題は純粋に推理パズルとして非常にうまくできてるというのがいちばんの評価点です。設定がケレン味たっぷりなので、じつは解く前は「設定倒れなんじゃないか」と警戒していたのですが、ヒントに過不足がなく、あー、ここでこのヒントがこうやって効いてくるのかー、みたいな気持ちよさが何度かある解けかたでした。はなまるこ。
(も)
・私は毎号のアンケート集計を担当しているのですが、177号の「面白かったページは?」で、この作品が(単発パズルの中で)圧倒的人気No.1でした。いやもうね、『連続正解を続けているKabto様』というフレーズを思いついた時点で作者さんの「勝ち」ですよ、まいったまいった。パズルの設定はこんなに遊びまくっていいんだ、という素晴らしいお手本でもあると思います。
(天)

○波及効果3番(P.91) 作●まいなすよん
・豪華海鮮ちらし、です。これでもかとヒントを贅沢に潤沢に配置して、あっそんなとこからそんな解け方するの? と味わい豊かになっています。ワサビひかえめ。
(天)

○フィルオミノ7番(P.94) 作●UNPARU
・もうねえ、うまいっす。ハイセンス。最後の展開はどうやって考えたんでしょうねっていう。
(も)

○ボンバーワーズ2番(P.103) 作●ポン吉ねえさん
・最近投稿を始めた方と思いますが、問題ごとにテーマがあることが多く、いいですね。この問題も、他の人があんまり行かない方向に走っているし。
(も)

○書き取りスケルトン2番(P.109) 作●willow
・点対称な位置関係にある灰色マスの中身がそれぞれ同じ文字列になっているという、小粋な作品。そのうえでちょっとしたひねりというか機知というかが仕込まれているのですが、多くは語るまい。実は175号の同作者の問題も見た目のコンセプトが似ているのですが、そちらよりさらに突き進んだ作品になっていると思います。もっとも、175号のも、そちらはそちらで楽しい作品なんですけどね。
(竹)

○ダブルチョコ14番(P.112) 作●船越みお
・ダブルチョコ昇格号でしたが、本誌でのジャイアント初掲載作。これまでダブルチョコの生みの親ひこうき氏と、育ての親半袖氏の問題しか解いたことがなかったので、こういう方向もあるのかと新鮮でした。一問を通して一貫した何かがある、という問題ではないのですけども、逆にいろいろとガサガサした良さがあって、作るのが楽しかったんじゃないかなーという感じを受けました。ダブルチョコはレギュラー化しましたが、いい意味であまりニコリのペンパっぽい感じがしないなーと私は思っていて、そしてまだまだ底は見えていないんじゃないかとも思っていまして、今後の行く末が楽しみであります。
(も)

177号はカニ特集&ダブルチョコ昇格記念特集でした。カニ特集は、ユニークな設定のパズルが多く集まっていましたね。


…ということで、「ペンシルパズル・オブ・ザ・イヤー2021-2022」の発表はこれにておしまいです。今回はいつにも増して「パズル通信ニコリ」から多くの推薦が寄せられたように思います。この記事をまとめている私も、まだ解いていない推薦作がいろいろあったので、あとでじっくり解いてみようと思います。

次回のオブ・ザ・イヤーがよりいっそう盛り上がるよう、ニコリは今後も楽しいパズルをお届けしていきますよ。みなさまからの投稿も、お待ちしております。