フライドポテトしか勝たん、
ニコリスタッフの(焼)です。

バックナンバー
第1回~謎解きを4つに分ける~
第2回~人類補填計画・序~
第3回~人類補填計画・破~
第4回~人類補填計画・Q~

前回は、謎解きの話から少し寄り道をして、ペンシルパズルの分類について考えました。

そして、ペンシルパズルは「補填」タイプ(なにかを付け加えることで解けるタイプ)が多そうだけどどうしてだろう、というところで話が終わっていたので、今回はその続きです。

この理由は端的に言うと「紙と筆記具の制約」と「ルールの制約」によるのではないかと考えています。

 紙と筆記具の制約…?

ペンシルパズルはその名の通り、紙に鉛筆などの筆記具を使って解くようにできています。

鉛筆はそもそもなにかを「書き加える」ために用いられるものです。
「書き加える」というのは、言い換えれば、文字や線や黒マスなどを紙に「補填」することです。
そのため、ペンシルパズルは「補填」タイプのものが多くなる傾向があります。

「そうしたらペンシルパズルは全部補填ではないのか」という質問がライオンくんから挙がりました。賢い。
そのように考えることもできなくはないのですが、「書き加える」ことで他の意味を持たせることもできるのです。

わかりやすい例でいうと「余計文字クロス」。
例題

例題の答え

余計な文字を「鉛筆で黒く塗りつぶして消す」ことで、クロスワードの答えの盤面を作りあげるパズルです。
これは鉛筆を使って消す「削除」タイプの問題と言えそうです。

他にも「ドッキング漢字」は、パーツをドッキング(合成)して漢字の熟語を作ることから、「合成」に分類できそうですし、
シンプルな迷路は、スタートからゴールまでの「移動」を線として書き加えているという解釈をすると「移動」に分類できそうです。

このように鉛筆を使っていても「補填」に分類されないペンシルパズルはあります。

ただ、それでも「補填」に分類されるペンシルパズルが最も数が多そうなのは、「補填」できるものの種類の多さが大きな要因でしょう。
文字や数字、直線や曲線、丸や四角などなど、いろいろなものを書き加えることができ、それによってまったく別の楽しみ方ができるパズルが生まれるからです。

 ルールの制約…?

ペンシルパズルの問題に「補填」タイプの問題が多い理由のもう一つは、ルールによる制約があるかと思います。

ペンシルパズルのすべてに必ずしもルールが明示されているわけではないのですが、こちらのページにあるようにルールがしっかりと決まっていることは多いです。

ルールが厳格に決まっていると、それ以外のトリッキーな操作ができなくなります。
たとえば、
・紙を裏返してみたり、上下逆にしてみたり、丸めてみたりする、「移動」タイプの解き方
・2枚の紙を重ねて透かして見たり、2つの問題をつなげて別の新たな問題にしたりする、「合成」タイプの解き方
・何も書かずに放置したり、日に当てることでインクの色を劣化させてみたりする、「時間」タイプの解き方
などはできなくなります。
そのため、シンプルに鉛筆で書き加えることによって成立する「補填」タイプの問題が多くなるようです。

(もしかしたら「ルールが決まっていると、そのぶん楽しみが減ってしまうのでは…」と思われるかもしれませんが、「ルール」が決まっていることによって次のようなメリットが考えられますよ。
・「こういうルールの問題が解きたい」というパズルを選んで解ける。
・ルールが明確なことから解が唯一に決まるため、安心してロジカルに解ける。
・ルールを定めることによって、新たなペンシルパズルを作ることができる。
・ルールをもとに、論理を積み重ねて解法テクニックを見つけ出す楽しみがある。
サッカーや野球などのスポーツもルールがあるから楽しめる、というのと同じですね。
ということで皆さん、ペンシルパズルやってね!

 他のパズルの分類…?


謎男(なぞお)くんが、偶然にもちょうどいい質問をしてくれました。
他のパズルの分類はどのようになるのでしょうか。
ここまででペンシルパズルは「補填」タイプに分類されることが多そうだ、ということになりましたが、他のパズル(やその周辺のもの)はどうなのでしょうか。
思いついたものをちょっと分類してみました。

 ・プラス
   補填
    ペンシルパズル(が多め)
   合成
    ジグソーパズル
    タングラム
 ・マイナス
   削除
    図形消滅パズル(地球追い出しパズルなど)
    消し物パズル
   抽出
    間違い探し
    視覚探索絵本(「ウォーリーをさがせ」など)
 ・空間的な操作
   移動
    ハノイの塔
    スライドパズル
    知恵の輪
    ルービックキューブ
   交換
    なぞなぞ
    暗号(シーザー暗号など)
 ・時間(論理)的な操作
   時間
    アクションパズル
    落ち物パズル
   論理
    パズラー小説
    水平思考パズル(ウミガメのスープ)

こうやって例を挙げてみると、いろいろなパズル(的なもの)がありますね。
これをまた分析してみると面白そうな気がしますが、それはまたの機会に…。

 まとめ…?

そんなこんなで、ペンシルパズルについて少し考えてみた回でございました。
次回は「合成」の分類を深掘りするのか、もっと別の話をするのか…乞うご期待!!!
(現時点で考えてないだけ)