文章:(塚)
昨年1年間に出題されたパズルの中から「これいいね」と思ったものをみんなで称えましょう、という年に一度の恒例企画「ペンシルパズル・オブ・ザ・イヤー」。今年も、おまちかねの発表の時間がやってまいりました。
今回は、2019年の1年間にニコリから発行された本とスマニコリで出題されたパズルが対象で、2月ごろにこちらのページで募集を行っていました。ご応募いただいた皆様、どうもありがとうございました。本に掲載されるというだけで十分素晴らしいパズルであることは間違いないのですが、その中から「特にこれは」というものを選んでいただいたわけであります。たくさんの応募をいただきましたので、さっそく紹介にまいりましょう。
発表は、本の刊行順になっています。また、ニコリスタッフ(く・も・将・焼・塚)からの推薦コメントもあわせて紹介していきますよ。なお、ご紹介するコメントの一部には、問題のネタバレとなるような内容もありますので、その点をご理解の上でお楽しみください。

パズル・ザ・ジャイアント32号

○フィルオミノ・ザ・ジャイアント3番 (P.22)  作●96.10
・初めて見る手筋を使っていてとてもおもしろかった。
(半袖)
・数字のないマスに注目させて、このマスにはどの数字が入らないかを考えさせる手筋がフィルオミノにはあって、その手筋の出し方にはけっこう作者の個性や、フィルオミノ観や、センスといったものが出るのですけども、この問題はその手筋をうまく使い、今まであまり見たことのない構造を意図的に複数回出現させています。派手なわかりやすさはないですが、フィルオミノ史的にすごい問題。
(も)

○ぬりかべ・ザ・ジャイアント1番 (P.38)  作●おがわみのり
・大きな数字として号数の32を使っているのだけど、答えを見ておおっとなる。
(く)
・32号だから32という数字が入っていますが、いくつ入っているかな、という。
(も)

○ヤジリン・ザ・ジャイアント3番 (P.58)  作●湾狼子
普通のヤジリンとは違い、内側から決まってゆく面白さが新感覚でした。
(ヤナヘー)

○推理パズル・ザ・ジャイアント (P.114、とじこみ1)  作●くろがね・みちお
割と重要な部分をなぜか何度も読み流してしまったため、解くのにすごく時間がかかりました。この一問で休日がほぼ一日つぶれてしまいました。でも、楽しかったです。
(ゆでた丸)

大きな盤面だからこそ、いろいろと大胆なことができるのが、ジャイアントパズルの魅力の1つですね。作者の生み出す独特な世界にどっぷり浸れる問題の数々がノミネートされました。

数独通信Vol.36

○114番 (P.74)  作●数パー独ターK
途中まで「これがHard?」と思わせておいて…まるで悪夢のような良い問題。
(ヤナヘー)

9×9Hardの最後の1問なのに、前半はわりとスイスイ進んでしまうのです。だけど後半が大変。

パズル通信ニコリ166号

○カタカナ抜け文 (P.44)  作●クラヴハンマー
食べ物のおいしさが伝わる問題です。昨年度の選考でも同じ理由で選びましたが(苦笑)、パズルで食べ物のおいしさを表現するのは難しく、例えば解いてイラストが出るパズルでも答えが食べ物のものはほぼないし私も作れなかった。そこを、これでもかという料理の羅列で、おいしさが伝わります。あと問題の特性上、○○○○語(ネタバレ防止のため伏せます)由来の言葉が多くてその語感もユニーク。
(山本祐輔)

○ザ・解読ボード (P.54)
この種類の問題が好きで、毎回とても楽しみにしています。もっと大きいのが解きたいです。
(パウダースノー)

○へやわけ1番 (P.84)  作●けーえぬわい
見た目でアピールしつつ、解き慣れない人にもやさしい盤面。へやわけでその2つを両立させるのは難しいので、グッときました。
(将)

○波及効果4番 (P.92)  作●ぴーかぼ
狙った意図で作るのが難しい波及効果ですが、これを綺麗なヒント配置と点対称の部屋で構成しているのは脱帽の一言。それでもって難易度的にも辛口に仕上がっているのが素晴らしいと思いました。
(齋藤スバル)

○ヤジリン7番 (P.106)  作●クロテント
・ある上級手筋の発展版をメインにした問題で、その発展させ方の発想と、それを何度も使わせる徹底さがすごいと思いました。
(けーえぬわい)
・斬新な難しさが良かったですね。ヤジリンの可能性が広がったなあ、と思いました。
(将)

見た目で魅せたり、手筋で魅せたり、文章で魅せたり。パズルにはいろいろな表現方法があるのですね。平成最後に発行された「パズル通信ニコリ」は名作の宝庫だったようです。

気がるにスリザーリンク5

○47番 (P.59)  作●Guten
線の引き方が楽しい。導かれる感じ。
(も)

平成クロスワード

○全部
・2019年といえば、平成クロスワードですよ…。
(く)
・1冊まるごと推薦。数問チェックしただけで、この本にはあまり業務上関わっていなかったのですが、よくもこんなに詰め込んだな…と入稿2日前くらいに思いました。大人は買おう。
(も)

○平成19年 (P.76)  作●あるかり工場長
名作ぞろいの「平クロ」の中でも「特にやべーやつ」。タテ1の「それクロスワードで出していいの!!??」な衝撃。頻出するネット用語・サブカルネタ。皆様ぜひ解いて、そしていったん忘れましょう。そんで令和5年くらいにもう一回解くのです。発酵が進んで一層味わい深くなってますよ、たぶん。
(天歩)

○平成23年(P.92)  作●小瀬匂
とりあえずヨコ1ですよ。平成23年(2011年)3月11日。野暮になるから長くは書きません。すごいのはそんなヨコ1から始まって、解き進めて盤面右下へ行っていただきますと…。いやあ、こうなりますか、そうですか、という。傑作です。解いてください。
(天歩)

令和初のニコリ本「平成クロスワード」では、一般的なクロスワードでは見られないような単語もバンバン出てきました。この本だからこそできたことなのだと思います。コメントにもあるように、何年か経ってから解いてみるのもまた楽しそうです。

ニコリのエニグマ3――直感で解くパズルの本

○あてはまる動物 (P.7)  作●くだぎつね
とにかくわかりやすくて朗らかなのがいいですね。幼稚園生でも解けるかもしれない。
(も)

○謎の生きもの (P.9)  作●叶い星
ネタ自体はよくあるやつですが、良い出させ方だなーと。ある種の「ダブルミーニング」というか。
(も)

○なし・右・なし・右 (P.20)  作●Guten
「わけのわからない無秩序なものに秩序を見いだしたとき、すごい快感を覚える」という人の性が謎解きの楽しさを構成する要素の1つと思いますが、この問題はぱっと見のわけのわからなさと、少ない手がかりからある程度の時間をかけて解けていく過程が、オーソドックスという感じがした。
(も)

○鍵の番人さん (P.25)  作●ぽっつ
本の帯にも載せた問題。前述の「わけのわからない無秩序さ」でいえばこの問題は相当で、実際かなり解くのに手こずった。それなのにわかってしまえば、当たりまえのように答えのようにしか見えないのがすごい。そして最低限の手がかりしかないのにさりげなくヒントも入っているという無駄のなさ。
(も)

○おいくつですか? (P.32)  作●はいカード優さん
・一見「え、あの有名な…」と思わせてからのヒネリが素敵。謎解き系パズルにも温故知新ってあるんですね、と。
(天歩)
・あぁそのネタね、そしてそっちのほうね、ってフフンと笑って解けると思わせておいて、突然に暗雲の中へたたき込む、素敵な三段構え問題。
(も)

○透明な板 (P.36)  作●じるし
発想は思いついても、ちゃんと形にするのが大変そうなので、よく作ったなあと。余談ですが、本当は紙の本に載るんじゃなくて、リアルに透明な板があったほうが面白いかもしれない。
(も)

○鳥が2回 (P.42)  作●夜勤中
答えはしょうもないと言えばしょうもないけれど、なにぶん、とんち絵というか判じものを解かないといけないという点が「メインストリート兼ミスリーディング」になっているので、だまされざるをえない。
(も)

○卑屈は続く (P.49)  作●ヤキオ
○後悔しな (P.53)  作●OX
今回のエニグマも傑作ぞろい! 特に「後悔しな」ともう一つ「卑屈は続く」は最後まで悩みました。やられたなぁ、お見事! 次回作も期待です。よろしくお願いします。
(ヤナヘー)

○点線と○● (P.54)  作●おく山みつゆき
問題文は一応あるけれど、別になくても成立しているかもしれない。文字情報がほぼない中で何をするか指示できていて、解く道筋も作られているのがおしゃれ。
(も)

○猫をさがせ! (P.60)  作●ヤキオ
こういう、ミステリー的な考え方をパズルとして消化しているのは、えらいなあと。
(も)

○結んでください (P.64)  作●ヤンマー部隊隊長
・今までなかったタイプかな。同じパターンでも単調にならないよう、小技も利いています。
(く)
・いろんなアイデアをよくまとめたなと。どういうふうに作ったのかを考えることすら面倒になるほどの大作。以上、編集担当だったのでたくさん選んでしまいました。
(も)

個人的に「エニグマ3」は、構成要素はオーソドックスでありながらも味わいが深い問題が多いな、という印象があります。

パズル通信ニコリ167号

○できる漢字は? (P.14)  作●白川京一
エニグマ3に引き続いて(?)、特集を謎解き・ヒラメキものにした167号の中から。この問題は単純に、こういう漢字をよく見つけたなと思う。
(も)

○web謎 無限回廊の謎 (P.16)  作●ヤキオ
ハードでしたが、新機軸でとても楽しく解きました。面白かったです。
(ヤナヘー)

○図形が表す言葉 (P.17)  作●じるし
さらに特集から。少しいじるだけで答えになるのに、問題と答えで、こんなふうに見え方が変わるのかーという発見も込みで面白い問題。解き方もちょっと生理的で楽しい。
(も)

○謎解き令和ズッコケファンタジー 吸血鬼を倒せ (P.19)  作●夜勤中
・この作品はストーリー仕立ての謎解きなのですが、「良い謎解き」の要素がふんだんに盛り込まれているように思いました。
例を挙げると「ストーリーが面白い」「全体の構成がしっかりしている」「最初の問題が比較的カンタンで徐々に難易度が上がっていく」「最後のほうに今までに見たことがないタイプの謎解きがある」などなど。
(焼)
・特集内3ページを使った連作。前半のほうを解いているときはちょっと厳しいかなという部分もあったのですが(なので、載せるに際して少し修正しています)、後半に向けての尻上がりの充実ぶりに舌を巻きました。最後の最後の謎6をあえて軽めに終わらせているのも好きですね。余談ですが、元の原稿ではずっこけラブコメテイストはもっとあったのだけれど、紙幅の都合もあって若干抑えめにしたのだった。
(も)

○スリザーリンク2番 (P.84)  作●ZON
最後「そっちからくるか」という意外性の高さに電流が走りました。
(齋藤スバル)

○ナンバーリンク7番 (P.89)  作●ZON
中央の1~9の並びは、ナンバーリンクではあまり見かけないパターンで印象的でした。
(塚)

○セレクトワーズ1番 (P.100)  作●前島奬太
小さい問題なのにちゃんとテーマがあってすごい。
(パウダースノー)

○おれひとりシークワーズ4番 (P.106)  作●ことう
・着順発表問題。一瞬何をしたらいいのかわからない。盤面を眺めていると目星が付いてきて、そこから推理が始まります。
(く)
・カギが「1つ上のカギの1つ先」ばかりの、胸のすくような一発ネタ。おれひとりシークワーズだと、盤面を見ていれば何となく言葉のアタリがつくのが優しくていいですね。
(も)

○シャカシャカ7番 (とじこみ2)  作●3次関数
この作品は配置が点対称なのですが、対応する位置で決まり方が違うというのが徹底されていて面白かったです。また、最後の展開にカッコよさを感じました。
(けーえぬわい)

○ザ・嘘地図2019(下) (とじこみ4)  作●やきお
よく作ったなあと。力作。内部制作ですけども。みんな解こう。
(も)

withクロスワード3

○35番 僕の祖父は長生きです (P.74)  作●ヤンマー部隊隊長
一見普通のクロスワードに見えて、入る言葉に隠しテーマがあるんです。ソレに気づいてればヨコ14で思わずニヤリ、となる趣向です。
(天歩)

○54番 突然ブチッと (P.112)  作●おく山みつゆき
・「早押しクイズの確定ポイント」(答えが一意に確定する問題文の箇所)の概念をカギ文に練り込む発想に嫉妬すら忘れてただただ感服。そしてそれをおくびにも出さず、この問題全体のルールや(架空の)背景に至るまでの全てをヨコ1だけで説明する構成に脱帽。
(あるかり工場長)
・ありそうでなかったカギの趣向! 一言でいうと「早押しクイズのクロスワード化」って感じです。ヨコ1はもちろん、ヨコ27とかタテの13、19、31とかホント見事です。嫉妬してしまう出来。
(天歩)
・よくこんなのを思いつくなあと。カギが何を言おうとしたか推理しないといけないので、面白みも増していますね。
(も)

54番の問題は、カギを使って早押しクイズの出しっこをするのも面白そうです。

数独通信Vol.37

○クロスワードパズル (P.18)  作●平成玉
1年のできごとが1問に詰まっていて、それが31問集まったのが「平成クロスワード」という本ですが、こちらは9×9マスの中に平成全体のできごとをいろいろ詰め込んだ「ミニ平成クロス」。ほとんどのカギがテーマ(平成)がらみ。
(も)

○116番 (とじこみ2)  作●がじがじ
25×25マスの数独の中央部も、9×9マスの数独として別個に成立しているという趣向。1問分お得というサービス精神よ。
(も)

パズル通信ニコリ168号

○クロスワード1番 (P.35)  作●前島奬太
タイトルに関連した言葉がたくさん出てきてすごい。
(パウダースノー)

○クロスワード3番 (P.37)  作●B2
すべてのカギに同音異義語が入るということに驚きました。これだけの同音異義語を用意するのは、容易なことではなかったと思います。
(ゆでた丸)

○ボンバーワーズ4番 (P.45)  作●黄色い烏
・ボンバーワーズが記号を用いるパズルである事を利用し、かつその記号の読ませ方がとても上手い作品でした。
(けーえぬわい)
・この前号で初めて登場した言葉のパズル。記号に、ある言葉が対応するのですが「使う記号に、言葉との関連性を持たす」というアイデアが2号目にして出てきました。いっしょに載った3番(けーえぬわい作)もそれなのですが、この4番はさらにもうひとひねり、という感じで、2号目にしてよくそんなアイデアが出るなあと思った。3番がちょうどフリになって4番がより際立った、とも言えますね。オモパの登場初期のほうで高度なことをすると妙に熱が冷めるというか、敬遠されるケースもあるのですが、ボンバーワーズは現在も生き残っていて、めでたいことです。
(も)

○フリースタイルクロスチック2番 (P.77)
他誌には載らないであろうタイプの問題で、とても面白いのでもっと解きたいです。
(パウダースノー)

○へやわけ6番 (P.87)  作●ケーエス
0や1の部屋で生まれた白マスによる白マス三連禁が分断禁を生み出していて、とても面白かったです。
(けーえぬわい)

○ひとりにしてくれ5番 (P.95)  作●かりん
・一桁の数字と二桁の数字でチェック模様が出来ているのが衝撃でした。またそれが見た目だけでなく、解きやすさにも寄与しているのに感銘を受けました。
(K山鳥168)
・「一桁数字と二桁数字を固める」という演出面での工夫が素敵でした。ひとくれで厄介な「次の手の見つけづらさ」も大幅に解消されて、まさに一石二鳥。
(齋藤スバル)
・ひとりにしてくれ界に「数字を市松模様状に固める」という見せ方の工夫がまだあったのだなあという。見た目きれい、やる気になる、解き筋を誘導できる、など、いろいろいいところがありますね。グッドデザイン賞や!
(も)

○セレクトワーズ5番 (P.99)  作●宮路直樹
セレクトワーズにおいて最初隠れている文字というのは、最終的には散らばせて使うことが多いと思うのですが(生理的にも自然な気がするし)、この問題では1つの単語に隠れている文字が固まって3つ入るという逆なでぶり。意図的かどうかの判断がつかなかったけれど、かなり意表をつかれました。
(も)

○四角に切れ7番 (P.106)  作●古都水
たぶんこの方は最近投稿を始めた方だと思いますが、いい意味でちょっと古風なのと、作る問題に何かしらの創意工夫が入っていることが多い点がいいなと思っています。この四角に切れは、同じ数字が3つ並んだ配置が2~9までの9種類すべて入っている、という、どう考えても解き味に無理が出そうな配置です。そんな無理につっこんでるのが無謀でいいなあと思う。姿勢を買いたいですね。無理めな趣向をどう無理じゃなくできたか(できなかったか)というところまで含めて、味だと思います。
(も)

言葉のパズル、数字のパズルともに豊作だった模様の168号。フリースタイルクロスチックは、この記事の公開時点でのニコリ最新号(170号)にて、新たなパズル名を決める投票企画を実施中。ぜひあなたの一票をお送りください。今後は、投票によって決まった新たな名前で出題していきますよ。

ザ・ペンシルパズル2020

○ペンシルズ16番 (P.15)  作●黄色い烏
・10マス×10マスの盤面の中で同じ手筋を繰り返す問題で、解いていて面白かったです。6が5つしか繋がっていない事について、作者の黄色い烏さんがTwitterで「フィーリング」とおっしゃっていたのもとても印象的で、ペンシルズを作る際に数字の見せ方についてその言葉を参考にさせてもらっています。
(けーえぬわい)
・ペンシルズはまだレギュラー昇格したばかりの新しいパズルですが、その原作者の黄色い烏さん作の問題。パイオニアならではの傑作でしょうか。何度か出てくる新しく難しい手筋にフォーカスが絞れていて、それ以外の部分がやさしめなので、手が進む→難所にぶち当たる→難所を越えてゆるやかな流れ→また難所にぶちあたる→また手が進む…という緩急もまた気持ちいい。
(も)

○ダブルチョコ12番 (P.56)  作●半袖愛好会の男
終盤で1カ所、すごくだまされそうになる場所が絶妙。私だけ勝手にだまされてるだけかもという心配はあるけど。
(も)

○ダブルチョコ19番 (P.57)  作●ひこうき
2×2のカタマリに4を入れると、その周りが…という問題。ダブルチョコって問題ごとにいろんな考え方が出てきて、まだまだ埋蔵量が知れないパズルという感じがする。
(も)

○ダブルチョコ20番 (P.57)  作●willow
見た目の美しさもさることながら、それを活かした最後の大締めが見事。
(齋藤スバル)

○ミッドループ21番 (P.61)  作●いわき石川
このサイズ(17×17マス)でやれることをやりきった、という感じですね。大技が印象に残っています。
(将)

○スリザーリンク16番 (P.77)  作●UNPARU
2の手筋を思いっきりフィーチャーしたスリリン。今までにない趣向ではないけれど、ためてためてどーんと振り切っているところが気持ち良かった。振り切りつつも、布石の少しのずれを利用して、繊細に縫うように解けるのがとても気持ちいい。
(も)

「ニコリのペンパ」シリーズの後継として、「ザ・ペンシルパズル」シリーズの発行が昨年から始まりました。ダブルチョコとミッドループは、どちらも「ニューパズル」枠として収録されました。

きっちり推理パズル

○71番 地下室は宝の山? (P.126)  作●つげさん
この本の最後の問題。ヒントをもとに最初にマトリックスに○×がつく数が普通にくらべて少なくて、これ解けるの?とまず思いました。で、別に変に難しいわけではなくて、少しずつ、少しずついろんなヒントが関連してほどけていくという、ラストにふさわしい良き問題。
(も)

パズル通信ニコリ169号

○のりのり4番 (P.90)  作●ななな
のりのりにも、まだ新しい考え方があるなあと感心しました。大技!という感じで良かったです。
(も)

○LITS 3番 (P.96)  作●クロテント
昨年度の本誌の中で一番印象に残っていた問題。最初はさくさく、中盤はじっくり、最後は派手にという序破急のしっかりした一種の到達点というべき傑作だと思います。
(齋藤スバル)

○ましゅ・ザ・ジャイアント (P.97)  作●プレアデス
難しいましゅの王道展開。ループ禁の使い方がわかりやすく解きやすい。
(半袖)

○ジグソークロス2番(P.99)  作●いこいの森
変な形のピースはなく一見とっかかりに乏しそうなのですが、ものすごいロジカルに決まっていくという異色の問題でした。
(も)

○フィルオミノ7番 (P.106)  作●U・U
「ただひたすら純粋に解き味がいい」という理由で着順発表問題になりました。まじで気持ちいいんですよこれ。おかげで「解き味がいい」というのはどういう要因で起こるのか、いちど突き詰めて考えなあかんな、という問題意識がうまれました。(いまだに全然考えてない)
(も)

超激辛数独6

○57番 (P.64)  作●福神ヅケ
表出18個でHard10+は初めて見たから。
(四次元ベクトル)

スマニコリ

○2019年7月6日 00:00出題の数独  作●おく山みつゆき
9の井桁~8の井桁あたりの流れがすごかったです。スマニコリ版逸品館に推したい。
(クロテント)

○2019年11月30日 12:00出題の美術館  作●Guten
桂馬飛びに並んだ黒マスの、同じ列には同じ数字がそろっていて、とてもきれいな問題。見た目がきれいなだけでなく、違う数字同士がちょっとずつ関連して緻密かつ自然に解けていく解き筋もさすが。
(も)

昨年から始まった「スマニコリ」では、数独と美術館の新作を日々出題中です。これまでに出題された問題は検索機能でさかのぼって解くことができるので、上の問題をまだ解いていないけど気になったという方は、今からでもぜひ遊んでみてくださいね。


 

ということで、「ペンシルパズル・オブ・ザ・イヤー2019-2020」の発表はこれにて終了です。素晴らしいパズルを作っていただいた皆様、そして熱い推薦コメントをご応募いただいた皆様、ありがとうございました。