みなさま『パズル通信ニコリ』166号はすでにお買い求めのことと思います。まだの人はあわててご購入ください。

166号では「パズルな家紋はいかがでしょう」と銘打ちまして、おなじみのパズルをモチーフに創作家紋をこさえてみました。自由に発想を広げるのはとても楽しかったのですが、記事のスペースと私の表現力不足で泣くなく掲載をあきらめたものもあります。
家紋の中には、あるモチーフを別のモチーフを使って表現する「見立て」というアレンジがありまして、そちらの方面も多才でユニークなのです。その見立てをパズルモチーフでやろうというのが、編集後記に書きました「数独蝶」とか「蟹カックロ」だったのでした。
蝶に見立てた家紋は多く、「片喰蝶」や「桔梗蝶」や「檜扇蝶」などがその好例。画像検索していただけるとそういうことかと理解してもらえると思います。
蟹見立ての家紋では「蟹牡丹」という家紋がありまして、なんでまたボタンの花でカニさんを表現しようとしたのか発想の根本がわかりませんがおもしろい。
ほかにも鶴に見立てたり桐に見立てたり。見立て家紋の世界はとても楽しいのでした。

ということで、数独蝶と蟹カックロ、こんなふうになるんじゃないかと描いてみましたのでご笑覧。

数独蝶
蟹カックロ
あとひとつ、後記の中で書いている「釜敷スリリン」、実在する「釜敷桜」や「釜敷桔梗」といった家紋のスリザーリンクモチーフ版を作れないかな、と思ったんですが、こちらは設計図を書くのもどうすりゃいいのかわかんなかったのでサンプルもないのでした。

ところで、記事中で参考資料にあげました泡坂妻夫『家紋の話』(角川文庫)はわかりやすくておもしろい名著。巻末の「上絵師小紋帳」は図形パズル的な方面に興味のある方にはたっぷり楽しんでいただけると思いますよ。