文章:(将)
本題に入る前に、まずは報告と宣伝から入ります。
以前、次ニコで「あなたが所属する「パズル部」をニコリ誌上で紹介します!」というお知らせを掲載しましたが、おかげさまで複数の団体さんから紹介希望の立候補をいただきました。ありがとうございます!

立候補の中から、筑波大学附属駒場中学校・高等学校(以下「筑駒」)のパズル同好会を取り上げることを決め、現在発売中のニコリ166号に「学生から広がるパズルの輪」と題してインタビューを行った記事を掲載しました。まだニコリ本誌を手に入れていない方は、ぜひともお求めになって、同好会員のパズルへの情熱をご確認ください!

…さて、いよいよ本題。
ニコリ166号掲載のパズル同好会インタビューでも取り上げた話題ですが、さる3月23日に、筑駒パズル同好会による初心者向けのペンシルパズル講座「ぺんしるぱずる in 筑駒」が行われました。「同好会へのインタビューだけでなく、講座にもぜひ取材に来てください!」というパズル同好会からの熱い声にほだされて、今回、次ニコで記事にするために再度筑駒へ取材に伺いました。とはいえ、パズルの会社ニコリの一員として、どういった講座になるのか気になったのも確かです。

「ぺんしるぱずる in 筑駒」は、筑駒が地域貢献事業として世田谷区民・目黒区民を対象に毎年行っている「筑駒アカデメイア」の一環として行われた公開講座です。公開講座は子ども向けから大人向けまでバラエティ豊かで、ペンシルパズル講座が行われた日は、他に「ワインから見える世界史」「ジャグリング講座」「科学実験教室」なども行われたようです。講師は筑駒の教員に限らず、生徒有志が企画して行うものも存在するのがユニークな特徴と言えましょう。

会場入口のホワイトボードに書かれたクロスワード。

会場となる筑駒の講堂(創立50周年記念会館)に入ると、いきなりクロスワードでお出迎え。これから始まるパズルなひとときを演出しているかのようですね。
講座を受講した方々の多くは小学生とそのご両親で、約30組ほど。開始前から、講座用の冊子に載っているパズルを黙々と解く子どもの姿がちらほらと見られました。

受講者に配布されたパズル冊子。

講座の進行は、筑駒パズル同好会の黄色い烏君。スライドショーを使ってパズルの説明をしばらく行い、実際に問題を解いてもらう…の流れで、約2時間の講座は進んでいきました。

講座を行うにあたっての目的を説明(1)。
ペンシルパズルの世界を多くの人に伝えたい。
講座を行うにあたっての目的を説明(2)。
パズルで身につく5つの力とは!?

「ペンシルパズルを楽しむことで、理解力・探索力・分析力・発想力・思考力の5つが養われる」と説明し、それぞれの「力」別のパズルを用意して講座を進める黄色い烏君。それぞれのパズルの、ルールの読み取り方についてもていねいに説明を行っていました。

講座のために作ったオリジナルパズル
「むぎっこ」の例題。
黒板を使って、「むぎっこ」を解説。

黄色い烏君によると、スライドショーは講座が始まる直前まで調整を重ねていたとのこと。そんな舞台裏を感じさせないほど、スムーズな話し方で進行していきました。

「世田谷区立図書館スケルトン」を解いている小学生。
パズルの解き方を個別に教える同好会メンバー。

受講された方々の多くは黙々とパズルを解いていて、早く解き終えて「おみやげ」の問題に進んでいる子もいました。この講座の受講を決めた段階でパズルに対する素養をある程度持っているとは思われますが、飲み込みの早さには驚かされます。
それとは別に、1つのパズルに対して親と子が協力し、会話をしながら解いていくシーンも見られました。パズルがコミュニケーションツールになっているのだなと感じましたね。

講座終了後、講座進行役の黄色い烏君にインタビューを行ってみました。

(将)「今日、実際に講座を行ってみての感想を教えてください」
黄色い烏「パズルが解けたときの喜ぶ顔を見ることができたのがよかったですね。他には、これは難しいだろう、と思っていたパズルが想定以上に解いてもらえたこともわかって、子どもに対しても、まちがい探しや点つなぎ以外にいろいろなパズルを広めていける可能性を感じました」
(将)「なるほど。他の人がパズルを解く姿を観察する機会は、なかなか少ないですからね」
黄色い烏「講座用の冊子を作るのも大変でした。載せる問題を作ること以外にも、使い慣れていないソフトでレイアウトを行うのが難しくて…。でも、冊子を作る作業を通して、自分たちも楽しめました」
(将)「パズルのルールの読み取り方解説など、独自に研究していることも多いなあと感じましたね」
黄色い烏「講座をどのような内容にするかギリギリまで考えていて、今日の朝スライドショーを作っているとき、パズルのルールってよくできているな、ということに気づいたんです。そこで、パズルのルールが意図していることを自分なりに考えてまとめました」
(将)「パズル初心者に解き方を教えるにあたって、気を付けたことは何ですか?」
黄色い烏「同好会に入ってきた新入生に対してパズルを教えたことはありましたが、そのときと違って、どうすれば伝えやすくなるかという点に気を配りましたね」
(将)「これからも、パズルを多くの人に教えていきたいですか?」
黄色い烏「僕はこれから受験生ですが、大学に入ってもパズルを教えてみたいですね。同好会の先輩が大学に入ってからも活躍しているので、少し意識しています」

受講者からも好評のようで、なかなかの盛り上がりを見せたペンシルパズル講座。筑駒パズル同好会に限らず、ペンシルパズルを広めていく営みは、これからも応援していきたいですね。
筑駒パズル同好会のみなさん、今回も取材にご協力いただき、ありがとうございました!

講座に関わった、筑駒パズル同好会のみなさん。
お疲れさまでした!