どうも(ケ)です。
自宅作業中のBGMとして、30年も前に遊んでいたPCゲームのゲームミュージックを流していたりします。大好きなゲームなので、サントラCDを買っているのです。もう何百回何千回聞いていることやら。
そんな大好きなゲームであっても、今ではそのゲームを遊ぶための機械そのものがなくなっているので、再び遊ぶことは無理でしょうねえ。
今回は、そんな、なくなってしまったものについての、雑多な話。

「日本クロスワード100年史」第5回(2025年6月10日発行のニコリの総合パズル誌「パズル通信ニコリ191号」に掲載)で、ニコリがデジタル環境へ進出したときの状況を少しばかり書きました。そこで挙げたゲームやサービスについて、今では詳細を確認することができなくなっています。
資料類が保存されていないという理由もあるのですが、そもそもそれらが動く環境がありません。携帯電話上のサービスなんて、提供しているキャリアがサービスを止めちゃったら、もう使えません。
100年史で書いた内容は、ニコリ本誌に載っていた広告を頼りに、展開時期や細かい仕様をまとめたんですよね。
だから今では、もう記憶の中にしか残っていません。細かい資料を集めたくても、当時担当していた人のところにも残ってないでしょうしねえ。
そんな消えてしまった中の一つ、パズルジャパン。
いま現在、ニコリがやっているe-クロスワード、これは、パズルジャパンのクロスワードの仕様を大きく参考にしています。このクロスワード、特に文字入力まわりについては、ここまでやるか、という作り込みですごかったんですよねえ。そのあたりについても、今では記憶の中に残るのみ。もう20年以上前の話。

デジタルとクロスワードの関わりで、もう一つ記録しておきたいのが「豚辞書」。
ぶたさん氏による、クロスワード用の辞書として用いることができるテキストデータ集です。
現在、Vectorからダウンロードできる「豚辞書」ですが、元々はパソコン通信「PC‐VAN」の会議室で編纂されていたデータでした(という言い方は正確ではないかも)。30年以上前のことですが、「豚辞書」を手に入れるためだけに、PC‐VANに入会しようかと考えたこともありました。
しかし、90年代初頭、フリーソフトを掲載したディスク付き書籍というものが出始めます。その種の書籍によって「豚辞書」を入手することができたのです。
「豚辞書」入手以後、私のクロスワード制作環境が充実したことは言うまでもありません。「豚辞書」を利用するために、GREPのようなテキストツールの使い方も覚えました。その知識は今でも役立っております。
「豚辞書」、お世話になっているのに、本誌の100年史の中ではうまく触れられなかったのでした。悔いが残ります。

クロスワードとの関わりで一点書き漏らしているのが、ゲーム「もじぴったん」。元々はアーケードゲームで、家庭用ゲーム機へ移植されました。このゲームをやるために、私はゲームボーイアドバンスを買いました。今でも、会社に置いてある荷物のどこかに入っているはず。
このゲームはきわめてクロスワード的であると思うのですが、これも、クロスワードの歴史の中に組みこんで語ることができませんでした。
デジタルにこだわらず、「ワードバスケット」などのアナログゲームとの関わりで考えた方がよい気はするので、そのうち改めて書くかもしれません。

そして、なくなってしまうものは、デジタル上の情報だけではありません。
パズル雑誌も、あとに残らないのです。
パズル書籍やパズル雑誌は、古書店にはなかなか出回りません。書きこみがあったら古本として買ってもらえないこともありますからね。だからパズル雑誌は、古書店からでなく、新品を買うしかない。それがパズル雑誌市場が堅調である一因だとも言われています。
だけどそれは同時に、資料としての古本を利用しにくい、という意味になります。実際、古いパズル雑誌を調べるために、古書店で手に入るものを買い求めたりもしているのですが、さほど成果は上がっていません。国会図書館にも納本されていない「クロスワードmagazine」(方丈舎書店)を手に入れられたのは僥倖だったと思います。
さらに言えば、ネタとして便利に使っている「100年前のサンデー毎日」の実物を入手できているのは、けっこうな幸運だったのですよねえ。

さて、今回も最後に問題をどうぞ。
「インターネット老人会」なんて言葉がありますが、まさにそんな感じの、昔のデジタルネタがテーマです。

ではまた次回。

(次回は2025年7月30日更新予定です)