どうも(ケ)です。8月です。暑い日々が続きますね。

さて子どものころ、夏に出すあのハガキが、8月だと「暑中見舞い」ではなく「残暑見舞い」になるのが不思議でした。8月っていちばん暑いころなのになぜだろう。
暑中見舞いは8月6日ごろの立秋まで、それ以降は残暑見舞い、というルールをわかってなかったのですね。
そう、8月はおおかた秋なのです。暦の上では。
話変わって。東北の有名な夏祭の一つ、仙台七夕まつりは、8月7日ごろに行われます。もちろんこれは、陰暦7月が今の8月ごろに相当するという、旧暦と新暦の差に由来しているわけです。七夕はもともと立秋のころの行事。今年の旧暦7月7日は8月4日になりますね。
でも七夕イコール7月7日としか知らなかった子ども時代、なんで仙台は8月に七夕をやるんだろう、東北地方は夏の訪れが遅いからかな、などとばかなことを考えておりました。いろいろとばかな子どもだったのでご勘弁。

東京では7月に新盆を行うところも多いですよね。私の地元は8月の盂蘭盆(うらぼん)つまり旧盆が習慣だったので、上京したてのころは不思議だったなあ。これも旧暦と新暦の差の例ですね。

季語の上では、8月はもう秋。
だから、七夕も、盂蘭盆も、終戦記念日も、すべて秋の季語。
このへんは理屈ではわかるんですが感覚的には違和感が残ります。特に、7月7日の七夕さま関連がすべて秋の季語、というのはぴんとこない。だって織姫(こと座ベガ)も彦星(わし座アルタイル)も夏の大三角の星ですよ。

まあ、俳句だけの問題ならばそれでいいんですが、季節の風物詩というのはクロスワードにも縁のある話なのです。
クロスワードの懸賞用のキーワード、その季節おりおりの言葉がよく使われるのですよね。たとえば1月号なら「おとしだま」とか「かがみもち」とか。5月号なら「こいのぼり」とか「バードウィーク」とか。
8月号ならどんなネタになる、というと、当然ながら夏休みとか海水浴とか花火とか、夏真っ盛りというキーワードが選ばれるのです。そしてそれらの多くは、当然ながら夏の季語です。
でも8月は秋なのです。七夕は秋の季語なのです。
そのあたりに納得できないもやもやが残ってしまったりするのです。

日刊の新聞や週刊誌だと、さらに注意すべきことがあります。
「六日の菖蒲、十日の菊」ということわざがあるように、5月6日以降に端午の節句の話題を持ち出すのも、9月9日の菊の節句が過ぎてから菊のネタを持ち出すのも、いささか時期遅れでよろしくありません。
ですから、例えば七夕がらみのネタを使うパズルは、7月7日以前に掲載されるようにこころがけています。
週刊誌だと、号数の月日と発売日、普通はずれています。7月7日号が発売されるのはその1週間から10日ほど前、6月のうちだったりするのです。このあたり神経質になるといくらでも悩めちゃいます。めんどくさいですねえ。
キーワードに花や季節の食べ物を使うとき、掲載日のころが花期や旬からずれてないか、というのはいつも気になる点です。日本は意外と南北にも広いので、花期や旬の幅が大きくて困ったりもします。

ちなみに季語として確立している言葉でも、私たちの感覚とずれてる場合もあるのです。
運動会といえば秋の季語。でも今、運動会を5~6月ごろに開催する地域も増えています。北海道は昔からそうなんですってね。
また、イチゴは夏の季語ですが、イチゴの出荷量が増えるのは、12月から4月にかけて。クリスマスケーキに使われるイチゴが多いのがその理由だそうです。季語とは完全に逆転しています。
甘酒も、昔は夏バテ防止に飲んでたそうで、なので夏の季語。今の感覚だと、冬の飲み物ですよねえ。

時代の変化に伴う季語と季節感の問題、俳句の世界の人々はもっと切実にいろいろと悩み考えているのかも知れませんが、パズル側の人間としては若干無責任におもしろがってしまっている部分もあります。
ということで今回は、季語をテーマにしたクロスワードをお楽しみください。私たちのイメージとちょっと食い違う、そんな季語をいろいろ取りあげてみました。

今回のパズルを解いて、季語と俳句に興味を持たれたパズル好きの方、そんなあなたにぴったりのパズル本があるのでご紹介。
NHK出版から出ている『脳活! まいにち俳句パズル 春夏編』『脳活! まいにち俳句パズル 秋冬編』です。
https://www.nhk-book.co.jp/detail/000064072792021.html
https://www.nhk-book.co.jp/detail/000064072752021.html
パズルはニコリが制作しています。クロスワードのほか、シークワーズやスケルトンで季語の世界を堪能できますよ。

ではまた次回。