ここからは解決編です。
解けるしろものではないのですが考えてみたいかたは、問題編のあとにお読みください。


密男はこの3人の中にいます

ライオンはゆっくりと話し始めました。

「待ってください!」
話に割り込んできたのは、ナガレボシ☆彡さんです。

「ここはショウジキカメン村ですよ?
仮に村の外からやって来た密男さんという人がこの中にいたとしましょう。
しかしそうすると矛盾が起こってしまいます。

まず、私はまちがいなく正直者です。
もし私が嘘つきだとすると、私の発言を本当と言っているマコトさんも嘘つきになってしまいます。
嘘つきは密男さん1人だけのはずですから、2人嘘つきがいると矛盾してしまいます。

よって私は正直者で、その旨の発言をしているマコトさんも正直者です。

では、残るTRUTHさんが密男さんかというとそうでもない。
彼は、ライオンであるあなたを見て『あっ、ライオンだ』と言っている。
もし彼が嘘つきなら『あっ、パンダだ』とかそういう発言になるのではないでしょうか。

そう考えると、この3人のなかには嘘つきなんていないんですよ!」

「いいえ、ある前提条件を付け加えれば矛盾はなくなるのですよ」
ライオンが静かにつぶやくと、ナガレボシ☆彡さんはたじろいだような様子を見せました。

「重要なのは、『ナガレボシ☆彡さんは本当のことを言っています』という発言です。

なぜ、マコトさんは『☆彡』を発音できているのでしょうか?
こういう記号のような字は発言できないのではないでしょうか?

答えは簡単。
ここがメタバース技術で作られた仮想空間だからです!

ナガレボシ☆彡はあせったように反論をします。
「だ、だからと言って、嘘を付いている人がいない以上、メタバースでも関係ないでしょう!」

「いいえ、とても重要なのです。
この仮想空間ではキーボードで打ち込んだ内容がフキダシとして表示されます。

もし、このフキダシの前に別の物が置かれたとしたら、どうでしょう?

そう言いながら、ライオンはマコトさんの横に移動しました。

「マコトさんのフキダシの前には、精巧につくられた、フキダシのような板が置かれていたのです。
現実空間では板を支えもなく空中に浮かせておくことはできませんが、仮想空間であれば簡単ですね」

「どうして…!? オラは超スピードのタイピングとマウスコントロールによって、フキダシと寸分たがわぬ板を作りあげた…なぜ見破れたんだ…!」

ナガレボシ☆彡さん、いや、密男は観念してライオンに尋ねました。

「気づいたのには、2つの理由があるガオ。
1つはマコトさんのフキダシの右下に見えた謎の線
あれは密男がフキダシ風の板を空中に置くときに出てしまった、エフェクトの線だガオ。

そして、もう1つはTRUTHさんの『あっライオンだ。ボー。』という発言だガオ。
仮想空間とはいえ、ライオンを見つけたあとに、ほうけたように『ボー』と発言するのはなにやら不自然だ、と思ったガオ。
そして気づいたガオ。もしかしたらTRUTHさんは、英語圏の人なのではないか…とねガオ」

「英語…? しかし、日本語の発言をしているように見えるけど…」
密男は質問を重ねた。

「TRUTHさんは『音声入力』をしていたんだガオ。

あっらいおんだぼー

あ らい おん だ ぼー

A lie on the board …

板の上にある嘘…とねガオ。

TRUTHさんのほうから見れば、フキダシではなく板であることが丸わかりだから、それを教えてくれていたんだガオ。
しかし、音声入力が英語として認識されず、日本語として解釈されてしまったんだガオ」

「ふ、ふ、ふ、やられたよ、ライオン。…だが、ここはメタバースの空間。
ログアウトしてしまえば逃げ切れるんだ!!!」

<ナガレボシ☆彡さん が ログアウトしました。>
というメッセージが画面に表示されました。

しかし、ライオンはほくそえみます。
「だいぶ長い時間接触できたことで、IPアドレスから密男の現在地が特定できた。
待っていろよ、密男…。
今、現実世界で捕まえにいってやるガオ!!!!!」

<ライオン が ログアウトしました。>
というメッセージが画面に表示されると、メタバース内のショウジキカメン村にはまた穏やかな時間が流れ始めました。

~完~

ということで、エイプリルフール向けの嘘つき推理の問題(?)でした!
楽しめたら、問題編をリツイートしてくれたっていいんだからね!!!
それでは、ハッピーエイプリルフール(^_-)☆彡