文章:(も)

ニコリが昨年出した何かに載ったパズルのうち、みんなの心に強い印象を残していったものを推薦し、大いに称えようという年に一度のコーナーがやってまいりました。たぶん今回で13回目になります。今回のプレゼンターは私こと(も)です。どうも。ごきげんよろしゅう。

今年度も推薦作を募集しまして、なんとも17名ものみなさまから推薦作をお寄せいただきました。過去最高かもしれません。数えてないからわからない。で、それにくわえてニコリスタッフ(く、将、も)からの推薦作もあわせてご紹介します。
そもそも載ったという段階で、数倍~数十倍の競争率を勝ち抜いた素敵な問題なのですけれども、その中からさらに印象を残しているということで、ここに推薦されているというのはもうめちゃくちゃに名誉なことです。きっと。たぶん。おそらくは。
コメントは、本の発行日が早い順に並べています。コメントのあとのカッコ内は、推薦者の名前です。また、全体的にネタバレの嵐なので、心してお読みくださいませ。

パズル・ザ・ジャイアント33号

○カックロ3番(P.6) 作●歌川匠美
・カックロで印象に残る作品はなかなか難しいのですが、そんなパズルの中でも特に印象に残っているこちらをジャイアント33号の中から推薦。計算されつくした楽しさが味わえる傑作だと思います。
(齋藤スバル)

○ジグソークロス2番(P.29) 作●いこいの森
・「クロス」が印象的すぎました。そこに至るまでの解き筋の運び方も美しく、ジグソークロスとしてもとても面白い問題でした。
(ぺんしるからす)

○カタカナ抜け文(P.30) 作●おく山みつゆき
・思いもよらぬ単語が次々と躊躇なく入って楽しかったです。
(半袖)
・これまでに出会ったカタカナ抜け文の中で間違いなく最高傑作です。ギャグや自己言及をよくぞここまで大胆に詰め込みましたね。“『』”や“(__)”あたりが入り口と思ってたら、これが最後まで分からず、全部解き切る瞬間まで楽しめる規範として残したい作品。
(ヤナヘー)

○ナンバーリンク4番(P.35) 作●ゴマ卵
・3のつなげ方があまりにも見事。こんなに長い旅をして戻ってくるとは…。解き上がった時、まるで小旅行を終えて懐かしい我が家に戻ったような気分に浸れました。
(ヤナヘー)

○ぬりめいず4番(P.55) 作●けーえぬわい
・大きいピースを利用した大きい考え方が、いかしてたような記憶あり。
(も)

○へやわけ2番(P.75) 作●しんまけ
・幅2マスの細長い部屋の決まり方が美しい。
(半袖)

○ビックロ(P.110) 作●遠藤郁夫
・解きながら怒りを覚えるほど難しかったです(なかなかマスを埋められない自分自身に対する怒りです)。おそらく、この盤面での出会いが最初で最後になるであろう言葉を多数知ることができました。
(ゆでた丸)

○ヤジリン・ザ・スーパージャイアント(とじこみ5) 作●96.10
・斬新で面白い展開が、巨大な盤面の中に満遍なく散りばめられていて、とても洗練された問題でした。作者の技術力に脱帽です。
(けーえぬわい)

2020年1月の本ですが、いろいろな作品に推薦が集まりました。ジャイアントは特徴的なものが多いものね。パズル編集およびチェック業務は分担するので筆者はこの中ではぬりめいずしか解いてないのですが(だのにうろ覚えですんまへん)、問題や答えをチラ見しただけでわかる問題もありますね。ジグソークロスは「ク」「ロ」「ス」という形の大きいピースがあるという、大胆問題ですね。ナンリン4番は数字の配置が異様にかたよっているのにこんなことができるなんて、どういう頭をしてるのだろうか(いい意味で)。カタカナ抜け文は答えの文章を読みましたが、ひどい(いい意味で)。

ペンシルパズル選書 四角に切れ1

○24番(P.23) 作●宮路直樹
・深く考えないで雰囲気で解くと間違える。絶妙な引っかけ。
(も)

パズル通信ニコリ170号

○学生寮の同級生たち(P.19) 作●びわゼリー
・手ごたえがあって楽しかった。
(なな)

○ミカンとリンゴの箱(P.21) 作●おーもりみき
・ブロックパズルですが、文字でも絵でも、どんな組み合わせでもいいというのがちょっと目新しかった。
(も)

○ふくめん算2番(P.21) 作●しょっかー中はら・
・問題としてもほとんど試行錯誤を必要とせずとてもロジカルに解けて良いのですけども、それに加えてなんと、「は=8、こ=5」になるのだという。「たまたまですが…」と、ご本人の投稿に書いてありました。
(も)

○四角に切れ1番(P.90) 作●けーえぬわい
・低い難度の中で、一見なにごともなさそうなのにちょっと意表をつく展開がおしゃれ。
(も)

○へやわけ6番(P.93) 作●ゆっきゅん
・コンセプトを貫き通した美しい問題です。さらに、2つの大部屋の黒マスの決定にそのコンセプトが関わっているのがとても印象的でした。
(けーえぬわい)
・5×5部屋の見た目の佇まいもいいですが、何よりここの決まり方が両者逆のベクトルで最高にスタイリッシュ。
(齋藤スバル)

昨年はパズル通信ニコリ創刊40周年記念ということで4号連続で記念号ということにしましたが、その最初の号がこちらでした。
「学生寮の同級生たち」は、似た問題が2021年4月に某社より絶賛発売予定の「じっくり推理パズル」に奇しくも載っているという極秘情報をキャッチしました。こちらもぜひお手に取りまくって解きまくっていただければいいんじゃないかな。
へやわけに2票。今解いてみましたが、ちゃんと趣向がきまってますね。よかよか。

とことんスリザーリンク4

○69番(P.78) 作●くだぎつね
・もう「こんなことできちゃうんだ」の一言に尽きます。今まで解いたスリリンの中で一番ガツンと衝撃を受けた作品でした。
(齋藤スバル)

ネタバレするとこちらは広い空白系問題なんですけども、たぶん今まででいちばん広いと思う。偉業と言っても過言ではないかもしれない。過言かもしれない。言えるかどうかは、あなたが解いて確かめよう!

パズル通信ニコリ171号

○円卓の8騎士たち(P.19) 作●しんまけ
・意外と難しかった。面白かった。
(なな)

○丸いスケルトン(P.20) 作●鴈野敏生
・普通のスケルトンとは頭の使う場所がちょっと違う感じでおもしろかった。違う問題も解いてみたいですね。
(く)

○クロスワード3番(P.33) 作●天歩
・誰かの思い入れのきいた「○○といえば」のリストを眺める楽しさと、それを無理なくクロスワードに落とし込んだこと。
(まいなすよん)
・見た瞬間に思わず笑ってしまいました。各界の著名人大集合で面白い。最後のカギでちゃんと締めている点も素敵です。
(三瀬史学)

○OKさんとNOくん(P.43) 作●夜勤中
・盤面にある○をオーとして使う場合も顔として使う場合もあるし、顔もニコニコ顔/不機嫌顔のどちらにするかの選択肢があるなど、表出記号の補完の仕方がトリッキー。しかも顔のおかげかルールはどことなくフレンドリーという、とにかく独特なオモパだった。
(も)

○美術館5番(P.85) 作●びーろく
・分かりやすい配置と展開が面白かったです。
(きょうや)

○推理クロス3番(P.99) 作●まいなすよん
・とても難しかった。
(なな)

○ケイスケ4番(P.106) 作●クロテント
・令和の時代の着順問題にケイスケ。世代ではありませんがケイスケというパズルの面白さが感じられて、最近では影の薄い「元定食パズル」でも底力があるんだぞと勇気づけられた1問でした。
(ぺんしるからす)
・0をうまく使って、最後までスキなく展開していたような記憶あり。
(も)

○ペンシルズ7番(とじこみ4) 作●黄色い烏
・解く前の柄(大きい鉛筆とPencilsの文字)も楽しく、解いている途中もスイスイ進むところと考えるところのバランスが良く、最初から最後まで楽しめました。
(グレイひつじ)
・見つけづらい場所もありましたが、いろいろ部分的な遊びも入っていて、初めてのスーパージャイアントらしく、楽しく解ける問題になっていたと思います。
(も)
・ペンシルズ原作者ならではの細かい配置ネタが面白かったです。配置だけでなく、内容もとても充実していました。ペンシルズ原作者の黄色い烏氏の、ペンシルズに対する愛というものが盤面を通じて伝わってきました。
(けーえぬわい)

推薦作が多岐にわたってたくさん来ました。171号は40周年記念号の2号目ですがこの号は2020年6月発行なので、制作期間がちょうど最初の緊急事態宣言のときと重なってたことを思い出す。とはいえ、ペンシルパズル自体はもともとインドア系なので誌面にそこまで大きな影響はなかったのだけれども。

クロスワード春夏秋冬

○4番(P.12) 作●ヤキオ
・「潮干狩り」っていうテーマでこれだけ濃い作品は普通作れません。貝類の名称だけでなく、砂、海岸、料理など、周辺モチーフの折り込みで全体の密度を上げている技巧が素晴らしいです。
(天歩)

○18番(P.40) 作●ねこあい護家
・秀作かつ名作、って感じの1問です。言葉の密度が薄めなのですが、それをカギの情報量で補ってます。タテとヨコを見比べながら確実に万人が解いていける、きめ細やかな仕上がり。
(天歩)

○21番(P.46) 作●矢野龍王
・パッと見で異彩を放つカギと盤面。テーマを大事にするコンセプトの本であり力作が揃うことが予想される中で、このアイデアを実現させたこと。(気持ちよかったろうな)
(まいなすよん)
・テーマが花火。カギが花火。盤面(黒マス配置)が花火。「夏」の部の最終問題に相応しい。ため息。
(天歩)

○34番(P.72) 作●小瀬匂
・全体にテーマ性しっかりしてる良作なのですが、特に右上と左下。長めワードがしっかりキッチリからんでるこの部分が本作の「トロ」です。解く方全員で味わってほしい!
(天歩)

春・夏・秋・冬・新年、という5つの季節のあれやこれをテーマにしたクロスワード単行本です。個々の問題においては、テーマにまつわるカギがたくさんあったほうが嬉しいけれど、テーマにこだわりすぎると解きづらくなりがち、といったところが、作者にとっては課題になったんじゃないかなーって、いや、私も1問作ったので、推測じゃなくて私がそう思ったのだった。そのあたりを突き抜けている良い問題たちなのでしょう。あんまり類書もなさそうだしいい本だと思うよ。

パズルBOX14

○サムセレクション4番(P.22) 作●にゃんこばずうか
パズルのルールを最大限に活用して解く、難しいけれど難しすぎない、「ほどよさ」がクセになる問題です。
(将)

○へやわけ7番(P.41) 作●灰神楽
・盤面7割くらいまではサクッと埋まり、終盤の大掛かりな分断禁で収束するバランスが見事。
(半袖)

○マイナリズム1番(P.50) 作●坂本伸幸
・このパズルでも作者の個性全開にできるのかとびっくりしました。バシバシ数字が埋まっていって気持ちよかったです。
(きょうや)

○マイナリズム4番(P.50) 作●湾狼子
・「差が1」の心地良さ。
(クロテント)

○さとがえり5番(とじこみ2) 作●坂本伸幸
・かつてnikoli.com(ニコリが昔運営していた、ブラウザ上でパズルが解けるウェブサイト)で培われていた、さとがえりを解く上での数々の大技小技がこれでもかと詰め込まれた力作。圧巻です。
(将)
・スーパージャイアントの王道というか、構成の横綱感が嬉しい問題でした。4種類の趣向を4方向から追っていけば、最終的に中央でそれらが収束して大きな扉がひらける!といったような。大向こうから声が掛かりそう。難しくはありましたが、正しい難易度の上げ方と思います。
(も)

「クロスワード春夏秋冬」と「パズルBOX14」は同じ月に出たのだった。しかしまさかマイナリズムの別の問題に1票ずつ入るとは。実は今も行ける的な? ポテンシャル的な? わからないぜ!

ペンシルパズル選書 へやわけ1

○22番(P.22) 作●ソフィアン
・易しいながらも、分断禁の使われ方に強いテーマがあって内容の濃い問題でした。
(きょうや)

パズル通信ニコリ172号

○特集 創刊40周年の宴(P.14~)
・特集を全体的に推薦。問題を送った人1人につき1問は最低載せることにしたのもあって、バラエティに富んでいて良かった。祝祭感もあった。
(も)

○迷路駄文(P.14) 作●ふーなんとかさん
・私も今後誰かをお祝いするときは迷路駄文で祝おうと思います。
(半袖)

○クロスワード1番(P.16) 作●まいなすよん
・ニコリ40周年記念パズル特集の一つ。ニコリへの愛情(笑)がビシバシ感じられる問題でした。ヨコ3がこの趣向ならではのメタ表現で素晴らしい。あとこの問題の右ページにあるチビクロがこれまた(後略
(天歩)

○カナオレ1番(P.20) 作●まいなすよん
・カナオレでこんなことができるとは。驚き。それぞれの号で特集テーマにちなんだパズルを作ったり解いたりしてた日々を思い出して懐かしさを感じました。
(ぺんしるからす)

○推理パズル2番(P.39) 作●まいなすよん
・一粒で二度美味しいパズル!頭をクラクラさせながら解きました。
(グレイひつじ)
・とにかくすごかった。こんなことができるんだと感心した。どこを基準とするかで解けたり解けなかったりというのが楽しかった。
(なな)
・この問題が載っているページを初めて見た時、度肝を抜かれました。まさかこんな事が可能だとは。発想力と実装力が素晴らしい問題でした。
(けーえぬわい)
・共通するヒントで2つのマトリックスが埋まるという、超絶技巧問題。2つの問題の難易度も大きな差がなく、そのバランスの取り方もさすが。どっちかで不必要になるヒントが1個くらいあったような気がするけれど、そんなこたぁご愛敬のうち。
(も)

○カタカナ抜け文(P.47) 作●おく山みつゆき
・じつにユニークな答えで解き終わった時に感動してキッチンにいる嫁さんに見せに行ったほど。どこかで見た記憶のあるコメントの数々に思わず笑ってしまいました。
(箱男)
・パズル以前に、単体のひとかたまりの文章として見てもアイデア十分だし面白い。そこへ来てさらに抜け文要素まで加わっているとは、なんぼほどの楽しさがここに詰まっているのだろうか。脱帽。
(も)

○マイナーアロー3番(P.49) 作●semiexp
○マイナーアロー4番(P.49) 作●齋藤スバル
・「こんな手筋もあったのか!」「こんなことも出来るのか!」といたく感心した2問です。このパズルの更なる面白さと可能性を感じさせてくれました。次号のオモパでは、新作に押し出される形で消えてしまいましたが…。
(三瀬史学)

○ザ・浮き出しメイロ2番(P.98) 作●湯沢一之
・ある意味時事ネタで、知らない方には申し訳なかったのですが、今やらないで いつやるの、というものでした。感動してくれた方もいらっしゃいました。
(く)

○漢字抜け熟語(P.102) 作●かとりゅう
・一見ではわかりませんが、あるテーマを突き詰めた問題。すごい。
(も)
・テーマの一貫性があって、なおかつ詰め込めるだけ詰め込んだ熱意が紙面を通して伝わってきました。
(齋藤スバル)
・おやおやその言葉を使うのかい?という気持ちが、趣向が見えてくるに従って納得に変わっていく楽しさ。
(まいなすよん)

○シャカシャカ7番(とじこみ2) 作●ももてれう
・だだっ広いところとチマチマしたところのバランスが良く、最後まで飽きずに楽しめました。
(グレイひつじ)

40周年記念号の3号目です。特集ページは「40周年を祝うようなパズルを送ってください」という、あたかも「自分で誕生日会を開くのにごちそうは持ち寄り」みたいなやり口をキメたのですが、読者はみんな徳が高い人ばかりなので(?)多種多様なパズルをお寄せいただけたのでした。
特集ではないところでも、推理パズル2番、カタカナ抜け文、漢字抜け熟語と、なかなかの名作が出ましたね。おく山みつゆきさんのカタカナ抜け文という意味で言えば、ジャイアント33号に続く2作連続ノミネート。すべり知らずであることよ。人でいうと、まいなすよん氏がスパークした模様。なおシャカシャカ7番はとても良かったとスタッフ(将)も当時言っていたのに、内部制作ということで推薦してくれなかったので、しかとここに記しておきます。

気がるにスリザーリンク7

○86番(P.99) 作●ちみかな
・数字の配置がコンセントとプラグで、かわいいなと思っちゃったんですよ。
(く)

ザ・ペンシルパズル2021

○ナンバーリンク27番(P.21) 作●willow
・大きいナンバーリンクはたくさん消すのが大変ということで解くのを躊躇しているものが多いのですが、この作品は配置がぎゅっとしてて綺麗なのと、親しみやすい雰囲気がして解き進めました。消しゴムをたくさん使いましたが大胆で繊細な解き筋が爽快でした。
(ぺんしるからす)

○フィルオミノ20番(P.37) 作●Guten
・これはもう、盤面の設計で驚くばかり。「大きな空洞」と言う意味では、ペンシルパズル史上でも類を見ないと感じます。
(山本祐輔)
・単純にこの空白はすごい。とは言いつつも、空白を埋めるだけなら大きい数字を入れるなどすれば誰でもできるということで、つまり空白の埋め方に表れる見識も込みでの良い問題ということであります。
(も)

○ヤジリン20番(P.47) 作●Guten
・強烈な見た目ながら様々なテクニックや大技が出てきて強く印象に残っています。
(きょうや)
・空白が周囲に広がり、矢印がまるで突き放されたように中央部に孤立する美しいレイアウトに目を奪われました。解き上がった後には別の美しさが浮き上がって見えてきて、見てよし、解いてよしの楽しい作品でした。
(ヤナヘー)

○ヤジリン31番(P.53) 作●黄色い烏
・問題掲載ページ下のコメントを書いたのは私(将)ですが、そこに書いたことに加えて軽快さが味わえたのも良かったです。
(将)

○ドッチループ21番(P.61) 作●けーえぬわい
・ドッチループめちゃくちゃ面白いなと思った作品です。ドッチループの可能性を感じました。
(ぺんしるからす)

意外と「ザ・ペンシルパズル20XX」や、その前身の「ニコリのペンパ20XX」からは推薦作が出にくいのですが、今年はけっこう選ばれたようで何よりです。フィルオミノ20番はとことんスリザーリンク4のやつに続き、巨大空白系問題でした。そういうのが流行する年回りだったのでしょうか。確かに2020年という年は、コロナ禍により日常生活の中に大きな空白がぽっかりとできた年ではありましたが…と無理に世情にからめることもないけども。
ところでペンシルパズル・オブ・ザ・イヤー13回の歴史の中でいつしか「ミスター褒め上手」という異名を持つに至ったヤナヘーさんですが(私だけが勝手に呼んでいるだけという説も)、パズル・ザ・ジャイアント33号内のコメントも含め、やっぱりミスターはミスターだという気持ちを新たにしました。今後も私は呼んでいく。

超激辛数独8


○48番(P.55) 作●福神ヅケ

・福神ヅケさんの数独は、思ってもみないところで予約や井桁が浮かんでくるところが好きです。中でもこの問題は、配置も美しい上に、1つ目の井桁が二つ目の井桁を呼ぶという、うっとりするような作りにしびれました。
(グレイひつじ)

パズル通信ニコリ173号

○40周年、積年のメッセージ…(P.4) 作●女津誠二
・ニコリの本を積み上げて謎解きパズルにしてしまうアイディアがツボでした。面白い。
まさに、積年のメッセージ。作者名も、めつせいじ?
(三瀬史学)

○Color Maze Composition(P.9) 作●お便所コーロギ
・見た目きれいでわかりやすく、一見してメイロらしからぬところも良いですね。
(も)

○温泉マークでメイロ(P.15) 作●鴈野敏生
・確かに温泉マークを散りばめたらメイロになりますね。モチーフがいい。関係ないけどこういう浴衣の柄もありそう。あと、メイロとしてけっこう迷わされる。
(も)

○お風呂なぞなぞでおれひとりシークワーズ(P.19) 作●夜勤中

・何という大人げないパズルであろうか、と思う。童心なぞなぞをこれだけ揃えて1問のパズルにまとめるのって、まずそういうパズルを作ろうという発想が私は出てこないなー。いろんな意味でちょっと真似できないですね。ニコリ172号のとじこみに載った某有名お野菜ソング(?)の替え歌パズルも夜勤中さん作でしたが、こういった独特のけれん味に私は定期的に心をかき乱されてしまう。
(も)

○交錯! 石けん持ち主当て(P.20) 作●夢野あかり
・問題設定が面白く、解いても楽しい問題。でも、実際に男湯から女湯(またはその逆)に石けんを投げたら良くないだろうなあ。フィクションならでは、ですね。
(将)

○かいだんしばり5番(P.46) 作●nutbox
・制約が強く対称形縛りで作るのも相当難しいのに、それでいて手筋的な深みが随所に共存しているという素晴らしい作品だと思います。
(齋藤スバル)

○ボンバーワーズ2番(P.51) 作●ふーなんとかさん
・ボンバーワーズの極北といいましょうか。非常にロジカルに決まっていき、そして考えたなりの「そういうことか~」というご褒美も待っている、緊張感みなぎる作品。
(も)

○スリザーリンク6番(P.83) 作●けーえぬわい
・トリッキーな線の動きをしつつループの構造は簡潔にまとまっていて良いバランスの問題でした。
(きょうや)

○へやわけ6番(P.85) 作●靄
・4つの大部屋とそれを囲む幅1マスの部屋の絡み合いがおもしろい。
(半袖)

○ましゅ6番(P.89) 作●齋藤スバル
・あるルールに反しないように、少し頭を捻るような考えをして線を決定させる場面が、序盤から後半まで様々な形で盛り込まれていて、楽しかったです。さらに、終盤の決まり方も素晴らしく、作り手として学ぶことが多い、パーフェクトな1問でした。
(けーえぬわい)

○へやわけ7番(とじこみ1) 作●半袖愛好会の男
・まずはこの大きさの問題を完成させた作者さんに拍手! 鉛筆が止まりそうになるとヒントがそっと顔を出す、絶妙な難易度にしびれつつ、楽しく完走できました。
(グレイひつじ)
・楽しかった。小分けにしてちょこちょこ進める、巨大作品なりの良さがありました。
(も)

○推理パズル3番(とじこみ2) 作●名探偵ニコリ
・なんといいますか…とにかく時間を使いたい、他のことを考えたくない人にはオススメです。
(く)
・とにもかくにも、大きすぎる推理パズル、カレンダーに日付を書き込むため、スケッチブックを使って解きました。細部まで、しっかり練られていて、文を読むだけでも楽しめました。解き終えたときの感動は忘れられないです。続編が解きたいです。
(船越みお)
・大変だった。最初から目にしているヒントがあとで意外な形で効いてきて、頭の中の電球がぴかりーんとすることが何回かあった。推理パズルが極まると、謎解き的面白さまで出てくるというのは発見。
(も)
・ボリュームは言わずもがな、問題としてのクオリティもガチガチの難問ではなくいい感じに解けるポイントを徐々に提示しているところも素晴らしいです。さらに特筆すべきは、テレビ番組や新聞を用いたヒントの文章での展開ができる限り自然だし、解く上でもわかりやすく書けている。参考にしたいところです。
(山本祐輔)

40周年記念号のラスト号がこちらでした。ラストということもあってか、推薦が多いですね~。筆者の推薦が多いせいもありますけどね~。恐縮です。
とじこみの2問は、まあ推薦されてしかるべきあれかなと思います。単品の数字モノの推薦もけっこう多いですね。あとで解いてみよう。

パズル通信ニコリ170~173号、およびweb

○「40周年記念連続企画 4号全部解いて答える懸賞!」と、そのおまけのwebの謎解き 作●(や)(も)
・先日この答えを読み直していたら、これはなかなかのあれじゃない?とふつふつと思ったので、内部制作ですが力強く自賛してしまおう。まだの人は170号の最初から順に、おまけのweb謎解きまでをぜひ解いてみてください。損はしないよ。
(も)

スマニコリ

○美術館 2020年8月1日出題 作●ももてれう
・解き手視点だと左右両端の数字による行ったり来たりの連続攻撃が小気味よく、作家視点だと胸ぐらをつかまれて往復ビンタを受けているような小さなショックを受ける作品。
(あるかり工場長)

最後はスマホアプリのスマニコリからの推薦が1問。ほんとにただの偶然なのですが、筆者作の問題が最後の紹介になってしまいました。なんかすみません。ビンタもしてないよ。
あ、スマホをお持ちの方は無料なのでお気軽にダウンロードしてみちゃえ!
Android版 スマニコリ
iOS版 スマニコリ


以上をもちまして、「ペンシルパズル・オブ・ザ・イヤー2020-2021」の発表は終了です。推薦作を送っていただいたみなさま、ありがとうございました。昨年通して、問題を作っていただいたみなさまにも感謝します。繰りかえしますが、載っただけですごいのよ。
ニコリではペンパオブザイヤーを熱くさせるような投稿をつねにお待ちしております。今後もよろしくどうぞ。