文章:(塚)

『パズル通信ニコリ』のレギュラーコーナー「ニコリおすすめゲームズ」では、毎回、ゲーム研究家・草場純さんのご協力のもと、さまざまなアナログゲームを紹介しています。

そんな草場さんを含む4名のゲーム研究家による共著『ゲーム探検隊』は、1989年に初版が発行されました(発行は書苑新社。その後、株式会社グランペールから改訂版も発行されました)が、2021年1月に合同会社ニューゲームズオーダーより電子書籍として再刊され、手軽に入手できるようになりました。そこで今回は、こちらの本について簡単に紹介したいと思います。

この本は、1つ1つのゲームの遊び方について詳しく解説するというよりも、「そもそもゲームはどのような仕組みで成り立っているのだろうか?」といったことを、全8章を通して明らかにしていくことが大きなテーマになっています。

例えば、第1章は「ルールとは何か」。どんなゲームにも必ずルールがあって、そのルールの中で勝ち負けを決めますよね。はじめて遊ぶゲームだったら、ルールブックを読んだり、知っている人から教えてもらったりするなどしてルールを理解することで、そのゲームが楽しめるようになります。逆に言えば、ルールさえ理解できればゲームを遊ぶことはできるわけですが、「ルールとはいったい何だろうか?」とじっくり考える機会って、あまりないのではないでしょうか。この章では、そんな話を掘り下げています。
他にも「ゲームの楽しみを探る」「必勝法/避敗法」「すぐれたゲームの条件」などの章があり、一般的な「ゲーム」というものについてのあれこれが、様々な方面から述べられていきます。

「一般論となると、説明が抽象的で難しそう…」というイメージを持たれがちかもしれませんが、実際には、ところどころで具体的なゲームを例として挙げながら説明が進んでいくので、専門的な予備知識がほとんどない私でも、どんどん読み進めることができました。前書きでも述べられているとおり、“難解な理論書”というよりも、“ゲームの世界を旅するためのガイドブック”といった感覚で、気軽に手に取ることができる本だと思います。

これまで何気なく遊んできたゲームも、この本を読んでからあらためて遊んでみると、少し(あるいはがらりと)変わった視点で楽しむことができるはずです。新たな魅力に気づけることも多々あるでしょう。また、本章の説明の中で登場するゲームのいくつかについては、付録としてルールが掲載されているので、面白そうだと思ったゲームはとりあえず遊んでみるのもよいかもしれませんね。

電子書籍の入手先などについては、発行元であるニューゲームズオーダーの書籍情報ページ(以下のリンク先)をご覧ください。試し読みも公開されていますよ。

●書籍概要
ゲーム探検隊
2021年1月17日発行(電子書籍版)
草場 純・南雲 夏彦・赤桐 裕二・本間 晴樹 著
合同会社ニューゲームズオーダー
250円(税抜き)

●ニューゲームズオーダーの書籍情報ページ
https://www.newgamesorder.jp/games/game_explorers