合言葉はフライドポテト!
ニコリスタッフの(焼)です。
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第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
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(前回までのあらすじ)
屋敷でパーティーをエンジョイしていた密男たち。
しかし、「肉」という字にむかって襲いかかってくるライオンが
近くで徘徊していることをニュースで知り、恐怖に身を震わせる。
そのライオンと過去に死闘を演じた密男は、
断固たる態度で屋敷に引きこもることを決意!
翌朝、目を覚ますと庭には元気に動きまわるライオンの姿が!
しかも、離れにいたナジオの額には
なぜか「肉」の字が書かれていて…。
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「それにしても、ナジオの額に肉と書いたのは誰なんだ…」
オサオがそう言って、場の静寂を破った。
「誰…って、ナジオさん本人なんじゃないんですか」
ヤキコがおそるおそる答える。
「いや、それはどうだろう。
ナジオさんは本当におびえているようだった。
もしも本人が冗談で書いて後悔しているなら、
ムリヤリこすって消すか
逆に上から油性ペンでぬりつぶしたらいい。
むしろあれは自分の額に『肉』の字が書かれているのに
気づいてすらいない、という感じだったよ…」
密男は分身の術でもしているのかというほど、
震えながら反論した。
「…しかし、ナジオ以外の誰かが書いたとして
それは単なるイタズラではすまされないぞ…。
ふだんなら、額に『肉』と書いたくらいじゃ
捕まったりすることはないだろう。
だが今は外に『肉』の字を標的にして
襲ってくるライオンがいる。
この状況を知りながら、
故意にそれをやったのだとしたら…」
オサオは深刻な顔で呟いた。
「そこには悪意、いや殺意があるといっても
過言ではないでしょう…。
そしてさらに恐ろしいのは、
犯人が『ちょっとしたイタズラで、
額に文字を書いただけ』と言い逃れをする
かもしれないことです。
『まさか本当にライオンが肉の字をめがけて
襲いかかってくるなんて思わなかった』ってね。
ふつうのライオンは人間の字を
理解できませんから無理な話じゃあない…」
すっかり分身した密男2体が同時に語った。
「…ナジオさん本人が書いてないとしたら、
一体誰が書いたっていうの」
ヤキコが疑問を投げかけると、
場は再び静寂に包まれた。
「この中に犯人がいるのではないか」
そんな考えが一瞬、密男の脳裏によぎったが、
それを振り払うように密男は提案した。
「…悩んでいても仕方ありません!
ナジオさん本人に聞いてみましょう。
内線は…電話線が切れているんでしたね。
あっ、大声で叫べば聞こえるかも…」
しかし、オサオは浮かない表情を見せた。
「ナジオはオーディオ趣味があって、
あの離れはかなりしっかりとした防音になっているんだ…。
届くといいが…」
奥に引っ込んでしまったのか、
ナジオさんの姿を窓から伺うことはできなかったが、
密男は約120デシベルの声で離れに向かって叫んだ。
「ナジオざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん」
何度か繰り返してみたものの、いっこうに反応はない。
「OMG…打つ手なしか」
密男は天を仰いだ。
そのとき、先ほどから不安そうな顔をしていたヤキコが声をあげた。
「そういえば、離れの入口には防犯カメラが設置されていましたね!
もし、犯人がいたらそれを見れば一発でわかるじゃないですか!」
「そうだった!
なぜ今まで思い出せなかったのだろう。
離れの防犯カメラは屋敷から確認できるんです。
一緒に来てください!」
そういうと、オサオはリビングから廊下へと飛び出していった。
~オサオの部屋~
オサオはパソコンの電源を入れて、説明を始めた。
「このパソコンから、離れの防犯カメラの映像を確認できます。
防犯カメラは離れの出入り口の扉と連動していて、
扉の鍵が開けられたときに動き出して、
そのあと15秒間の映像を撮影するようになっているんです。
これで映像を確認してみましょう」
「昨日の夜、ちょうど8時くらいに電話をかけたときは
すでに施錠しているってナジオさん本人が言っていたから、
もし誰かが扉の鍵を開けて侵入したとしたらそのあとね」
ヤキコが言うと、密男も
「たしかにオラもその電話を横で聞いてました」
と同意した。
「深夜の3時20分に誰かが鍵を開けたみたいで、動画が残っているよ。
早速見てみよう」
そう言って、オサオは動画を再生し始めた。
3人は画面を食い入るように見つめて、驚愕した。
そこには思いがけない者の姿が映っていたからだ。
「…ラ、ライオン。ライオンが扉を開けようとしているわ」
ヤキコはうろたえた。
「そんなまさか…。
『肉』という字がわかるライオンというのは
百歩ゆずって認めるとしても、
扉の鍵を開けるライオンがいるわけがない…」
オサオは語気を強めて言った。
「信じられないのはわかります…
しかし、事実としてこの動画には
扉にささった鍵に触れているライオンが映っています」
密男はいつになく真剣な口調で、言葉を続けた。
「あのライオンはそれだけの知性を有しています。
そして仮説ではありますが、
ナジオさんの額の『肉』という字は
もしかしたらライオン自身が書いたのかもしれません。
『肉』の字はいわば『あとで食べるというシルシ』…。
冷蔵庫に入れたプリンが
他の人にとられないように名前を書いておく…
そんな感覚なのかもしれません」
「いやあああああああああ!!!」
甲高い声が屋敷中に響き渡った。
オサオは一瞬、ヤキコが叫んだのだと思ったが
よく見たら密男が自分自身の発言に恐怖して叫んでいたのであった。
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(次回予告)
密男 VS ライオンの解くか食われるかの
戦いが始まるはず!!!
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