*この話は実話です

かれこれ十年以上前のお話です。
私はとある寮に住んでいました。

山の上にあるその寮は元霊山だったという噂があり、
本当かどうかわからない、しかしどこにでもあるような心霊現象のうわさが多くありました。

私は霊感というものがある!というほどではございませんが、小さいころに2、3回この世のものではないものを見たことがあり、気のせいかもしれないレベルですが、この場所重いなぁと感じることはあります。

夜には寮内の自動販売機、7段目の階段、暗い駐車場…。
そういった場所にはなんとなく近づきませんでした。

でもこのお話は近づく近づかないの話ではありません。
事が起こったのは私の住む部屋の中だったのです。

当時私はバザーで買った風鈴を部屋の中央、天井から垂らしていました。
とはいっても1ルームの寮部屋なので窓を開けたときや、誰かが部屋に遊びに来たときのドアの開け閉めで鳴る以外は、鳴ることがありませんでした。

ある日レポートの締め切りに追われていた私は、深夜ですが同じ寮内の友人とSkypeをしながらレポートを書いておりました。
時間はベタですが深夜、草木も眠るなんとやらなんかを気にする暇もないほど切羽詰まっていたときです。
友人と話しながら眠い目をこすり、せっせとレポートに取り組み、お互いあらかた書き終わったかなというタイミングで、レポートも終わったし少し乾杯でもしようと友人の部屋に呼ばれました。
私はパソコンの電源を落とし、深夜ということもあり部屋のカギをしっかりしめて自室を出ました。

友人の部屋につき、しばし談笑をしていると友人のパソコンから通知音が鳴りました。
二人で画面をのぞくと〝私〟から友人にSkepeの着信がきていました。
私の部屋のパソコンになにかが倒れてボタンを押したか、はたまた誰かが私の部屋に遊びに来て悪ふざけをしているのか…。
お酒も入っていたのでそんな話をしていたのですが、よくよく考えなくてもおかしい。
私は確かにパソコンの電源を落としましたし、寮部屋の性質上カギを部屋内にささなければ電気はまわりません。
部屋の電気は完全に切れているはずなんです。
それに確かに普段日中はカギを閉めずに部屋を出ることもありますが、深夜であるためしっかり鍵を閉めたはずです。
誰もいない部屋、電気も通っていないパソコン、〝私〟から友人への着信…。
私もですが、まだ誰もがみんなスマホをもっていなかった時代です。
アプリからということもありえません。すべてがありえない現象でした。

怖くなった私は友人を連れて自室に戻りました。
カギはしっかりかかっており、部屋の電気は主電源から消えていました。
カギを差し込み、電気を通し、パソコンを立ち上げる…。
Skypeには発信履歴もありませんでした。

ぼーっとなっていた私と友人。
そのとき、部屋の風鈴がちりんちりんと何度かなりました。
ドアも窓も閉まっていて風などあるはずもないのにです。

あの日から私は少しだけ左肩が重く、少しだけ人より運がいいです。
仲良くなれたのかもしれません。

(た)でございました。