どうも(ケ)です。
今回も、また問題から。
去る8月28日の、YouTubeでのライブ配信で、クロスワードの盤面にみんなでヒントを付けたのですが、そのまとめです。
文章表記は、発言された方の表記をそのまま用いています。そのため伏せ字の部分が○○とか~とか、いろいろ揺れています。末尾にアスタリスク(*)があるのは私(ケ)が付けた分です。

このライブ配信の問題みたいに、複数人でクロスワードのヒントを付けることがあります。かつて「クロスビー」でも、「ヒント寄せあつめクロス」として、コンテスト形式でヒントを募集し、それをまとめて出題していました。

いろいろな人のいろいろな発想を元にしたヒントが集められることで、多様性や多彩さが現れてきます。楽しいイベントになるよな、と思います。
ただ、ちょっとしたデメリットもあって。
それは「解きやすい問題になるとは限らない」という点なのです。

解きやすい問題になるか否か。
これは「作者の意図通りの解きやすさ(難易度)に調整可能か」とも言い替えられますが、クロスワードに限らずパズルを作るとき、常につきまとう問題ではあります。
ヒント寄せあつめクロスでは、この調整が難しいのです。

クロスワードのカギ、ヒントというものは、答えを指ししめすものです。
けれど、答えの言葉を詳細かつ正確に説明するだけでは、ちょっと物足りなくなります。ヒントは辞書の定義ではありませんからね。
そのため、解き手を悩ませる、ひねった要素も必要になってきます。どんなひねりを加えればよいか、作り手はいろいろ工夫するのです。
この「ひねり」が優れていると、多くの人がよいヒントだと認めるような、出来のよいヒントになるわけですね。

一読しただけでは、その意味や、指ししめす言葉がつかめず、ヒントを何度も読みかえす。文字数や、交差する言葉からわかった文字を頼りに、脳内辞書をいくども調べる。
その結果、答えがひらめいたときの快感。
これが楽しくて、多くの方はクロスワードを解いていますよね。
作り手は、その楽しさを生み出させるために、よりよいヒントを作り出そうとがんばるわけです。

ヒント寄せあつめクロスでは、応募する人は、それぞれの言葉に、渾身のヒントを付けていきます。その中から選ばれて集められたヒントですから、どのヒントも、とても「がんばったヒント」になります。

ところが。
「がんばったヒント」というものは、しばしば、解きにくいヒントでもあります。そのヒントをきっかけに解けていくような、簡単なヒントではないことも多いのです。
これは、先ほど書いた「ひねり」が有効に働いているからこそ、すぐには解きにくい、簡単ではないヒントになるのです。ひねりが強すぎると、その難しさがエスカレートしますしね。
難しいヒントが付いた言葉ばかりがからみ合っていると、どの言葉も「他の言葉を解かせるためのきっかけの言葉」にはなりえず、そのために解き味が重くなってしまうこともありえるのです。
これが、先ほど述べた「解きやすい問題になるとは限らない」という意味。
解けない問題では、解く楽しみを味わえませんから、それは困りもの。

難しいヒントが付いた言葉には、簡単に答えの出るヒントが付いた言葉を交差させ、解くための手がかりを作る必要もあるのですよね。
そのために、言葉の絡み方を見ながら、ここは解かせるところ、ここは悩ませるところ、とコントロールしてヒントを考えていかねばなりません。
ときには言葉組みの段階で、解きやすい言葉、解きにくい言葉をうまく組み立てていく配慮も必要になります。

大勢の人が関わる「ヒント寄せあつめクロス」では、それぞれのヒントの間での調整が難しいため、「解くための問題」を制作する手段としては一考の余地があるよな、と私はそう考えております。
イヤそれでも、集まった多彩なヒントを見るのは、宝石箱というか、動物園というか、よい意味でのごちゃ混ぜ感があって、やっぱり楽しいんですけどね。

そんなところで、今回のお話はおしまい。ではまた次回。

(次回は2025年10月29日更新予定です)