世の中は、夏休みですね。
そして、ちょうど私の雑記当番回が、夏休みの頃だなぁと気づきまして。
夏休みっぽい懐かしいことをしたい。
たとえば夏休みの宿題、読書感想文とか。

(ぺ)「ということでパズルの読書感想文書きたいんだけど、課題図書、出して」
(せ)「え?」

『たのしいスリザーリンク』、オススメしてもらいました。

読み物もあって楽しいだろう、ということで。

読みました。

感想文です。

『たのしいスリザーリンク』を読んで
                 まるぺ
 私はスリザーリンクの初心者だ。
 具体的には、初心者タイムにぴったりそろって解き終わり、解き終わった答えを見直せば「2」の周りに線が「3」本引かれているのを見つけてしまう。そのくらいの初心者だ。
 この本を読む前の私がスリザーリンクに対して抱いていた印象といえば、名前がシュッとしててヘビっぽくてかっこいいなぁだとか、新聞でちょくちょく見かける新進気鋭のパズルだなぁ、人にルールを教えるのがムチャクチャ難しいなぁ、などと解かずに得たものばかりで、そんな感想しか持たない自分を、いかにもパズル初めましての幼稚な人間に見えるなぁと感じていた。
 しかし、それはつまり、誰もが通る共感性の高い第一印象であり、スリザーリンクというパズルに触れた感想に違いないのだと、本書を通じて気付かされた。

 本書、『たのしいスリザーリンク』は、たくさんのスリザーリンクが解けて楽しいだけではない。スリザーリンクの作者、原作者インタビュー、解き方や用語の解説、息抜きのコラムなどが詰まっており、読むとスリザーリンクを生まれた歴史や名前や周辺のすべてごと惜しみなく楽しめてしまう。
 例えば、「スリザーリンク」という名前。「スリーザーリンク」「スリザーリング」などと誤記されることも多いと見て、確かに私も最初は「輪っかを作るパズルだからリング!」と勘違いしていたことや、略称の「スリリン」を初めて知ったとき、なんてかわいい名前になってしまったのだ!と驚いていたことが鮮明に思い出された。
 その名前の由来や、スリザーリンクというパズルが誕生した歴史は、とても複雑で奇跡的で熱いものであった。パズルの発明と進化の真ん中にいたパズル作家様方の言葉を直接読むことのできるインタビュー記事はあまりにも贅沢であった。
 「マンガで解いてみる 初級編」では、普段自分がスリザーリンクを解くときに使っていた考え方が「定理」と名付けられていることにこみあげるものを感じた。そして定理は、自分が見つけ出した以上にたくさんあることを知り、知った瞬間に実践で使える練習問題が用意されている。流れるようにパズルを解かされてしまった。「初心者のためのやさしいスリリン」を喜び勇んで解き、早速定理が使えることに高揚し、ループを指でなぞり、解き終えた喜びに浸りながら、「解いている人に聞いてみた」コーナーで読んだ「夜に解く人が多い」という言葉を思い出し見知らぬ解き手と固い握手を交わした。

 パズルを解いているときの感想は孤独だ。喜びも感動も自分の中だけで完結してしまう。しかし、実際には、自分と同じように、あるいは全く違う楽しみを見出しながら、同じパズルを解いている人がいて、そのパズルを作っている人がいる。それに触れられたことが、本書を読んで、解いて得た何よりの喜びであった。
 すごい人ばかりのインタビューを読んできたが、不思議と、読み終えるころには、自分が初心者であることを卑下しなくなっていた。最後に奥付の言葉を読んで、固い握手を交わした手をさらにブンブンとふった。
 まだまだ解いていないスリザーリンクが山ほどある。これからも、じっくり自分の速度で線を引くことを楽しんでいこうと思う。

以上。原稿用紙3枚とちょっとの読書感想文でした。

書きながら「この拙い文章を全世界公開するのか…」と何を今更な羞恥心を覚えておりました。
世の中の小学生、読書感想文を書き上げて提出して発表しているの、とても、とても偉い。

ちなみに雑記担当最終日の今日まで宿題するのをサボっておりました。
典型的な8/31に泣くタイプの人間です。
宿題は計画的に。

「たのしいスリザーリンク」はデジニコ支店で買えるよ!
https://nikoli.stores.jp/items/5dc90e37c6aeea23f79c0d5c
PDFだから解きたいページだけ印刷できる。同じページを何回も印刷できる。気軽に解けてよかったです。

みんなも書こう! パズルの読書感想文!!!