この5月に発売される、ペンシルパズル三昧シリーズ最新刊「クロスワード1」。
いったいどんな本なのか、編集長(天)に、スタッフ(ぺ)があれこれ質問を投げかけました。編集長の生の答えで、魅力があなたに伝わりますように。(記事まとめ:(ケ))


『ペンシルパズル三昧 クロスワード1』書影

・この本はどんな本

(ぺ):「ペンシルパズル三昧」って、どういう本のシリーズなんでしょうか?

(天):1冊の中に1種類のペンシルパズルだけが載っており、心ゆくまでそのパズルを楽しめる、というものです。
ニコリのシリーズ本は1986年の「ペンシルパズル本」シリーズから始まったのですが、その最新バージョン、ということですね。
初級から上級まで、幅広い難易度の問題を収録しております。

(ぺ):「クロスワード1」ってありますけど、クロスワードは初めてなんですか?

(天):ペンシルパズル三昧でクロスワードを出すのは初めてですね。
シリーズ開始が2021年で、これは私の入社年度と同じです。
その当時、クロスワードは「withクロスワード」という新書判シリーズが、もう3巻まで出ていたんです。
だから当初は「クロスワードは別シリーズがあるからいいよね」という感じで、ペンシルパズル三昧の候補には上がっていませんでした。

その後「withクロスワード」シリーズは5巻まで出しました。4巻と5巻を私が編集したわけですね。
3巻までは超ベテランの先輩スタッフが編集されていたので、しっかりとしたフォーマットがすでにありました。新米編集人の私にはありがたかったです。
この2冊を編集したことで、実地にやらないとわからない「クロスワード編集のコツ」みたいなものも、大いに学びました(まだまだ勉強中ですが…)。

そして昨年、「新書判のクロスワードの本を新たに作ろう」という話が持ち上がったとき、当初は「withクロスワード」と同様に「○○○○クロスワード」というタイトルにしようと思っていたんですが、「判型が同じだし、ペンシルパズル三昧として出す方が統一感も出ていいんじゃないか」ということで、ついにペンシルパズル三昧シリーズへ参戦!…となったわけです。

(ぺ):「withクロスワード」はどんな本だったのですか。ペンシルパズル三昧とは違うんですか?

(天):ほぼ同じで、微妙に違う本です。
どちらの本も、
「ニコリのパズル作家さんが作った個性的なクロスワードがたくさん解けます」
というところは同じですね。今回もたくさん解けますよ。

微妙に違うところは…いろいろあるのですが、今回だとパズルの大きさ(タテヨコ何マスか)が特に変わりましたね。

「withクロスワード」シリーズはずっと「タテ9マス・ヨコ9マス」と「タテ11マス・ヨコ9マス」の2種類だったのですが、今回の「ペンシルパズル三昧クロスワード1」では新たに、「タテ7マス・ヨコ7マス」を収録しました。
せっかくシリーズが新しくなるので、何か今までと変化をつけようか、と考えたときに、「小さめサイズで気楽にチャレンジできる問題が、最初の方にあるといいかも」と思ったんです。

果たしてこの試みがうまくいったのか…
それは「解いた人が楽しんでくれたかどうか」で決まりますので、感想をネットやハガキに書いてくれるとうれしいです。

あっ、もう1つ、今回の本では各クロスワードに「難易度」を付けています。
「withクロスワード」のときは難易度設定はなかったのですが、ペンシルパズル三昧シリーズは過去すべての本で難易度を付けているので、これも試みの1つとして、付けてみました。
最初の方はやさしめなので「楽」、そのあと「中」「難」となって、最後の何問かは「激」となってます。

もちろん、解く人によって「思ったより簡単」とか「思ったより難しい」とか、感想は様々だと思います。
チャレンジするときの目安になればいいかな、と考えています。

(ぺ):クロスワードで、難しい問題って、どういうものでしょう? めちゃくちゃ知識が必要ってこと?

(天):必ずしもそうではないですね。
今回の本で難易度を付けるときは、大まかに、

・入る単語が、日常的なものか/専門的なものか
・カギが、連想しやすい素直な内容か/ひらめきやひねりが必要な内容か

といったところを見ながら「やさしい/難しい」を判断していきました。
編集部内で他のスタッフにもチェックしてもらっているので、そんなに変な難易度付けにはなってないんじゃないかな、と思ってます。

もちろん、難しいかどうかは人それぞれ、な部分が、どうしてもあります。
(パズルはどれもそうなんですけどね)
解く人にとって知らない言葉が出てきたら、難易度表示は「楽」であっても、「知らない言葉が入るパズルだ、難しいな」と感じるのではないでしょうか。

でも、クロスワードは「遊び」なので、「難しいな」と思ったとしても、最終的に、楽しんでもらえればOKなんです。
検索してもいいし、ご家族や知り合いと相談しながら解いてもいいんです。
編集長としては何よりも「楽しんでほしいな」と思いながら作った本です。

だからいちおう、編集長から見て「まあ難しいかな、こっちはやさしいかな」
と大まかな判断はしていますが、実は「難しいかどうか」はどうでもよくて(乱暴な言い方でスイマセン)、楽しんでもらえたかどうか、が大事だな、と思っています。

・クロスワードのおもしろさとは

(ぺ):この本には、どんなクロスワードが載っているんですか?

(天):スタンダードなクロスワードです。カギを読んで、連想した言葉をタテヨコに書き入れていく。
すべてのマスが埋まれば完成です。いつでもどこでも、すぐに遊べますよ。
カバー裏に、変わり種クロスワードも1問だけあります。

(ぺ):この本の特徴って何でしょう?

(天):個性的なクロスワードがたくさん解けること、ですね。
ニコリのクロスワード本は、たくさんのパズル作家さんに依頼をして作っています。今回も50名以上の方に協力していただきました(感謝です!)。
作者の皆さんは、普段は学生さんだったり、パズルと関係ないお仕事をしていたり、様々な方がいます。ちなみにニコリスタッフも何名か問題作成を行っています。
年齢も、生活環境も、考え方も、それぞれ違う人たちに作っていただくことで、1問1問に「色あい」とか「味わい」みたいな、個性が感じられる本になっています。
そこをおもしろがるというか、楽しんでもらえるといいな、と思っています。
あっ、あとは同じ質問を、私から読者さんに向けて聞きたいですね。解いた方に、どの問題のどんなところがおもしろかったか、ぜひ教えてほしいです。

(ぺ):Amazonの販売ページにある紹介文を見ていたら、「さまざまな趣向のクロスワード」って書いてありましたけど、どんなものなんでしょう?

(天):どのパズルもそうなんですけど、クロスワードもやっぱり、作者によって解き味がぜんぜん違うんです。
なぜ同じルールなのにそんなに違うのか、というと、そこに作者の趣向、つまり「味わいを出すための工夫」があるからだ、と私は考えています。
単語のチョイスやカギの書き方、マニアックなところだと黒マスの配置ですとか、あらゆるところに趣向があります。
この本に収録したクロスワードはスタンダードなものばかりですが、だからこそ出てくる、作者それぞれの工夫を楽しんでほしいですね。

(ぺ):さっきカバー裏にあると言っていましたが…クロスワードに「変わり種」ってあるんですか??

(天):あるんです。
ニコリでは変わり種、つまり特別な味付けのあるクロスワードが、いくつかあります。
カギを見て連想した言葉を書く、という基本の遊び方は同じですが、たとえばヒントがイラストになっている「絵ヒントクロス」や、黒マスも自分で書き入れる「ケイだけクロス」、入る言葉を漢字や英語で書くクロスワードなど、です。
さて、それでは今回の本ではどんな変わり種が載っているかというと…実物をお買い求めの上お確かめください!!

(ぺ):そもそも、クロスワードというパズルのおもしろさとは、なんでしょうか?!

(天):おもしろさは解く人それぞれで感じてもらえばいいのかな、と思いますが、私個人が思うのは…あたりまえのようなことを言いますけど「ワード(言葉)がクロス(交差)すること」ですね。
それがあるからこそ、クロスワードだけでしか味わえない楽しみが生まれているのだと思います。

たとえば、

ヨコのカギを読んでも何の言葉かわからない
→でもクロスしているタテのカギの言葉はわかる
→それで文字を埋めてみると、それがヒントになって
→わからなかった言葉が「あっ!」とひらめく…

クロスワードをよく解く人なら「あるある」な体験だと思うんですが、この「あれかなあ、これかなあ…あっ!」の瞬間、これがクロスワードの醍醐味だと思います。
本を作るときはいつも、できるだけたくさん「あっ!」を体験してもらえる本にするぞ、と思ってます。
今回の本もたくさんの「あっ!」が体験できますよ。できるはず。できてほしい。…よろしくお願いします!

・この本が向いている人って

(ぺ):この本、初心者でも解けます? 知識がなくても解けますか?

(天):やさしい難易度のクロスワードもたくさん収録されていますから、初心者でも解けますよ。

知識がなくても大丈夫です。断言しちゃいます。
なぜかといいますと、そもそもクロスワードって「遊び」ですよね。
学校のテストみたいな「試験」じゃないんです。
だから、クロスワードには「絶対こう解かないといけない」なんて決まりはないんです。

自分の知識だけで解かないとダメ、とか、あらかじめ言葉を勉強してないとダメ、なんてことはありません。
もちろん、いろいろな言葉を知っていると、楽しく解けるとは思いますが、知識に自信がなくても、楽しめればOKです。

カギには番号が振ってありますけど、1番から順にやらないといけないわけではないです。好きなところから解いて大丈夫です。
わからないところは辞書を引いて調べてもいいですし、ネット検索したっていいです。
隣にいる人に「これわかる?」って聞いてみてもいいんです。
どうしてもわからなければ、答えを見ながら書き写したってかまわないんですよ。解く人が楽しく解けることがいちばん大事です。
だから「解けますか?」と聞かれたら「解けます!」と断言してしまいます。その上で、楽しく解いていただければ、最高に嬉しいですね。

(ぺ):逆に、クロスワード好きな人にも楽しいですか?

(天):楽しいかどうか、ですか…うーん、これは解く人それぞれですからね…。

クロスワードが好きな方なら、きっと満足していただける本になっている、はず、です(弱気)。
もしも「楽しくなかった」という方がいたら…ごめんなさい。精進します。

少なくともわたくし(天)は「楽しい!」と思いながら、すべての問題を編集したので、たぶん大体のクロスワード好きな方に楽しんでいただけるのではないでしょうか。楽しんでほしい。お願い!

・この本を買うには

(ぺ):いつ発売でしょうか! 本のサイズとか、置き場とかも教えてください!

(天):発売日は5/10(土)です。まあでも、早いところではGWにはもう店頭に並んでいる…と思います(本屋さんによってまちまち)。
売り切れる前に本屋さんへお急ぎください。

本のサイズは「新書判」です。ざっくり言えばマンガ「ONE PIECE」のコミックスとだいたい同じ大きさ、ですかね。

置いているお店は限られていますが、全国どこでも買える(注文を行えば)ので、まずはお近くの本屋さんのパズル雑誌コーナーへどうぞ。
パズル雑誌コーナーになかったら、書籍売り場かもしれません。
お店によって違うと思いますが、「クイズ・パズル」コーナーがないお店だったら、「囲碁将棋」「ゲーム」「脳トレ」「健康」「占い」あたりのコーナーを探すとあるかもしれません。

そこにもなかったら、お手数なんですが、ご注文をお願いします。
本屋さんの店頭でも注文できますし、Amazonなどのネット書店でも取り扱ってますよ。

・編集長にフォーカス

(ぺ):編集長さんにとって、クロスワードとは?

(天):言葉遊びの完成形(の1つ)って感じでしょうか。100年たってもまだまだ皆が飽きずに遊んでいるのが、その証拠だと思います。かっこいい答えができなくてスイマセン。

(ぺ):どういうクロスワードが好きですか?

(天):なんでも好きです!
やさしいものも難しいものも好きですし、小さいサイズも大きいサイズも、それぞれの良さがありますよね。
あとは…抽象的な言い方になるのですが、「解く人のことをイメージして作ってあるな」と感じ取れるクロスワードは、特に好きですね。
具体的にはどんなのかというと…ニコリのクロスワード本をお買い上げください! いいクロスワードがいっぱい載ってますので!

(ぺ):編集長さんが作ったパズルって、どういうものでしょう。個性あるよね、などと言われたことありますか?

(天):言われたり言われなかったり…でしょうか。

わたくし(天)は元々ニコリ読者だったので、読者としてパズルの投稿をしていた期間が長いです。20年くらいでしょうか。
数字系も言葉系も、もちろんクロスワードも、いろいろ作りました。
だから「どういうものでしょう」という質問には、「いろいろあるよ」という答えになりますね。
その中で、いくつかは個性的なものも作ったかな、と思います。

ただ、自分で解いたり作ったりしていると気づいちゃうんですけど、世の中には個性的な、おもしろいパズルを作る人が、たくさんいます。
ニコリのパズル本は、そんな人たちに支えられて成り立っています。

そのことがとってもありがたいことで、すごいことである、という、ある時期からどうもそのあたりの意識が高くなってきました。
これは、自分がパズルを作ったことがあるから、そう思えたんだと思います。

で、それからなんだかんだありまして、ありがたいことに今では、おもしろいパズルを世の中に「お届け」する側で働いております。

(ぺ):この本で、ぜひ見てもらいたいところってありますか。

(天):ひとつひとつのクロスワードはもちろん見て(解いて)もらいたいですが、この本は「ペンシルパズル三昧」の中でもイラストが多めです。
一見、そのページのクロスワードと無関係に見えるイラストでも、よーく考えると、思わぬつながりがあったりします。ぜひそちらも楽しんでほしいですね。

(ぺ):作成苦労話や、特にがんばったところなどあったら教えてください!

(天):なんだかんだで楽しく編集しているので、あんまり苦労話はないんですよね…。苦労そのものはどんな本でもありますし…。

あえて言うなら、とにかく言葉・文章がたくさんある本なので、細かなチェックや調整は大変(だけど大事)です。
誤字脱字がないか、カギの内容がまちがってないか、などなどですね。

あと、解く人には1冊でいろいろな言葉やカギを楽しんでほしいので、別々の問題で同じようなカギだったり、同じ単語が使われたりしていたら、どちらかを変更することもあります。
作者さんには本当に申し訳ないのですが、編集長も泣く泣く変えていますので、ご容赦ください…。
そういうときの「申し訳ないなあ」という気持ちを「苦労」と言っていいなら、それが苦労話かもしれません。

あとは「がんばったところ」ですか…。
うーん、とりあえず「がんばらずに本ができあがることはありません!」と、声を大にして言っておきましょうか(回答になってないかもしれないですが)。
この本と同時発売の「てごろな数独5」「おてがるスリザーリンク」も、ニコリスタッフみんなで、がんばって作りました。
きっとこの本の隣に置いてあると思うので、ぜひ一緒にお買い上げ、よろしくお願いします!

ええと、とりあえずこんな感じですが、これで質問の回答になっているでしょうか。ちょっと不安です。

(ぺ):たくさん質問しちゃったけど、それ以上にいっぱい回答いただけてめちゃくちゃよかったです! ありがとうございました!!!


いかがでしたでしょう。編集長と全編集部員の熱いパワーが注ぎ込まれた『ペンシルパズル三昧 クロスワード1』、ぜひお手にとってみてくださいませ。
あなたがコトバと楽しい時間を過ごせますように。

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