(ま)さんに聞いてみた その2です!
前回はこちら↓
(ぺ)の雑記 ニコリキャラを知りたい! (ま)さんに聞いてみた!
・絵柄とパズル制作変遷
(ぺ)「絵柄だいぶ変わったんですね」
(ま)「変わってるよ~。自分でも『何…誰だよこれ』みたいな」
(ぺ)「笑 私、最近の2010年くらいの分からちょっと見漁っていたんですけど、それでもだいぶ変わっていますよね」
(ま)「変わってるよ、日々変わってます」
(ぺ)「日々!」

(ま)「でもだんだん定着したのは、やっぱりパソコンで描くようになってからだよね」
(ぺ)「そっか、制作環境」
(ま)「最初は紙で描いているからさ」
(ぺ)「カケアミとかも全部手で描いていたんですか?!」
(ま)「あれはスクリーントーンというものがありまして」
(ぺ)「切り貼りするやつ! マンガ制作だ」
(ま)「そうですそうです一緒で。大変でしたよ、まちがい探しなんか作るの」
(ま)「コピーして、ホワイトで消して、線描いて、みたいなね。カラーの間違い探しなんか無理だからね」
(ぺ)「ほわぁ…細かい作業」
(ま)「昔はほんっと大変で。別の話になっちゃうけど、カックロのあれ(三角)を貼ってたんだからね」
(ぺ)「この黒マス?」
(ま)「この三角のさ、これだけ作って、すべての数字がある向きのやつを。
これを切って、1マスずつ貼ってたのよ」
(ぺ)「ヒー(声にならない悲鳴)」
(ま)「それを(く)さんに聞いたらもう苦労話をしてくれるでしょう」
(ぺ)「次の雑記(く)さんに突撃にしようかな」
(ま)「写植でやってもこんな特殊なの、出ないわけだよ普通には。だからマスだけ写植でやってもらって、あとは貼っていってね…」
(ま)「コバさんて、今もたまに顔を出している元スタッフが、丁寧に全部1マスずつ切って。それを(く)がこう貼って」
(ぺ)「盤面作成が高度な分担作業だったんですね…」
(ま)「今はもう夢のようだよほんとにいろいろと」
(ぺ)「イラストも描くの楽になったんですか?」
(ま)「間違い探しとか同じの探しとか、そういうのはもうはるかに楽になりましたよ」
(ぺ)「同じの探し…非常に納得」
(ま)「イラスト描くの自体はそんなに変わらないけど、パズルにするっていうのは、全然楽だよね。
あと昔じゃできなかったことができるようになったよね~」
(ぺ)「あ~幅も広がったんですね!」
(ま)「強引にカラーで同じの探しとかやったことあるけどね。
線画だけで作って、さっきのスクリーントーン、『カラートーン』っていうのがあるの、色がついているやつ。
それをずれないように一生懸命、同じになるように貼って…大変でしたよ」
(ぺ)「ずれるとそれが『まちがい』になっちゃいますもんね」
(ま)「そうそうそう」
・自動書記状態?
(ぺ)「みんな自由にのびのびしていていいですよね」
(ま)「描くとき自分の頭ではあんまり考えていない、描いていない感じがする。
『自動書記状態』ってのはよく言うんだけど」
(ぺ)「ほお」
(ま)「描き始めると、勝手に動く」
(ぺ)「キャラが動く、ってやつですか」
(ま)「『何でもスコープ』の連載時代、あれは(ケ)がもう資料全部調べてくれて、
それでまとまるんだけど」

(ま)「普通だったらコンテみたいなの作るんだろうけど、
私はもうさ、いきなり、描き始めるともうほんっとに勝手にしゃべり始めるから」
(ぺ)「そういう感じなんですか?!」
(ま)「そういう感じですね、頭では全然考えてない」
(ぺ)「ネーム切って下書きして…みたいな工程なしに描けるんだ…」
(ま)「それだけにいつも「指人形だな」って思うんだけど自分で描いてて」
(ぺ)「笑 指人形、言われてみれば」
(ま)「首から上しか出てきません。文章が多いからしょうがないんだけど」
(ぺ)「新連載の「マンガにパズルあり」の方なら、全身描いたりもありますよね」
(ま)「マンガにパズルありはすごいよ、(や)は天才だなと思うよ」
(ぺ)「すごいですよね毎回企画」
(ま)「あれは描いてて面白いです」
(ま)「ニキチとムーが、スコープのとき解説とかやってたじゃない?
それも別に「ああニキチとムーくんはこういう人にしよう」なんて思ってないんです。
自然にそういう風になってたっていうね」
(ぺ)「自然にみんな会話してった」
(ま)「私は羊飼いが羊ちょっとまとめるぐらいの感じだよね、気分的には」
(ぺ)「なんでもスコープのときとか、ムーとニキチの知識量の多い会話毎回圧倒されてました」
(ま)「事前にいろいろ調べてるんですかね、あの二人は。今回はこれだから~って」
(ぺ)「こういう話題くるんだろうなって予測してリサーチしてるんだ」
(ま)「ほんとは(ケ)が全部調べてくれてるんだけどね」
・ニコリ村の一年

(ぺ)「なんかおっきい本が出てきた」
(ま)「これデータじゃなくて紙に描いていたからすごいよね、今はデジタルになったから楽になったよね」
(ぺ)「これ何を使って描いてたんです? 何色か使っているように見える…?」
(ま)「これは…削って描く」
(ぺ)「削って描く……カラートーンを」
(ま)「あ、違う、これダーマトだな」
(ぺ)「だーまと?」
(ま)「ダーマトでぬってるんだな、ダーマトって分かる?」
(ぺ)「聞いたことないです」
(ま)「あそう、あのね、検索してみ、出てくるから」
(ぺ)「ほーう」
(ま)「要はクレヨンみたいな鉛筆みたいなやつで、芯が剥けるの。今何言ってるか分からないだろうけど」
(ぺ)「ちょっと想像がついてないですね…? あっ検索出てきた。すごい色鉛筆っぽい」
https://www.mpuni.co.jp/products/pencils/color/dermatograph/7600_7610.html
三菱鉛筆さんのダーマトグラフ
(ま)「ここの糸を引くとここが剥けるんですよ、要は芯が短くなっちゃったら剥いてまた芯が出てくるという。ほぼクレヨンみたいな感じ」
(ま)「この辺の影とかはカラートーンでやった上に、ダーマトでぬっている」
(ま)「今も売ってるのかね、昔はどこの文房具屋さんでも売ってるようなものだったけど」
(ぺ)「今も世界堂さんとかにありそうですね」
(ぺ)「この木の色はスクリーントーンのずらしのやつですね」
(ま)「そうです。コサンタくんと、ダイセツコジローくんで。全員出しました」
(ぺ)「『ニコリ村の一年』には全員がいる!」
(ま)「ワラビーさんいるのかな」
(ぺ)「ワラビーのお母さん?はいますね」
(ま)「お子さんもいるんだけどね」
(ぺ)「お母さんは名前はないんですか?」
(ま)「『ワラ美(わらび)』さんと言います。『ワラ』がカタカナで、『ビ』が『美しい』です」
(ま)「それで、彼らは冬に白くなります」
(ぺ)「ほんとだ色が変わっている」
(ま)「オコジョとナキウサギです」
(ぺ)「エゾナキウサギでしたよね!」
(ま)「北海道の方にだけいて、「キュッキュッ」と鳴くらしいですよ」
(ぺ)「かわいい」
https://youtu.be/VhvE4OO5eWo?feature=shared
調べて出てきたナキウサギの鳴き声
(ぺ)「お子さん見当たらないですね~」
(ま)「どっかにはいるんだけどね。まだ独身だったんですかね?」
(ぺ)「そういうこと?! まだ若いお母さんだったんですね」
(ま)「でもここにあるんだよね」
(ぺ)「ポケット! 服に着いてるんですね」
(ま)「はい」
・関ニコ
(ま)「キャラクターはそんなもんかね」
(ぺ)「あと調べて出てきた子だと…『ボウミン』?って子がいるらしいですね」
(ま)「ボウミンね」
(ぺ)「イントネーション『音楽』と同じなんだ(『次ニコ』と同じイントネーションで読んでた)」
(ま)「ボウミンはね、『関西ニコリスト』っていうのがあって。そこで何かキャラがほしいって言われて描いたキャラです」
(ぺ)「ゾウさんだったと聞きました」
(ま)「そうそう、ゾウさんですね」
関西ニコリストさんのホームページ。ここにボウミンさんがいます
(ぺ)「関西限定なんですね?」
(ま)「そうそう、通称『関ニコ(カンニコ)』ね」
(ぺ)「それ関東でも成立しちゃう…」
(ま)「そうだけどね」
(ぺ)「『関ニコ』は本だったんですか?」
(ま)「本じゃないよ。要は関西の有志が集まって、そういうサークルみたいなのを作って。
それで『関西ニコリスト』と称して、毎月じゃないけど『月ニコ』みたいなのも出して。
でも、おもな活動は、集まっておしゃべりするみたいな」
(ぺ)「平和だ~」
(ま)「『放談会』(※(将)注:ニコリ読者が集まり、公民館の一室を借りてパーティーゲームに興じるなどする催し。かつてはニコリが主催し、定期的に開催していました)というのが昔ありまして。関西だと来らんないから、こっちでもやりたいって言って」
(ぺ)「放談会聞いたことあります! ニコリストが集まってしゃべる会」
(ま)「関西だけでなくてあちこちにあったんですよ、北海道とか札幌、『札ニコ(サツニコ)』とか、金沢とか」
(ぺ)「へー!」
(ま)「ニコリのありがたいファンの人たちが音頭取って、それぞれの地域でやってた(※(将)注:現在も幹事さんから開催のご連絡があれば、次ニコで告知を行っております。最近では、昨年秋開催「多摩放談会」の告知記事と報告記事を公開しました)」
(ぺ)「行きたかったな~。結構全国支部あったんですね」
(ま)「だね。九州もあったけど、四国はなかったかな。でもやっぱり大きかったのは『関ニコ』と『札ニコ』だよね」
(ぺ)「『札ニコ』の方はキャラクターは?」
(ま)「いなかったですよ。関ニコの方は乞われて。「欲しい」と言われて。いちばん古いしね、そういう放談会の中では」
・目が点
(ぺ)「目が点になってるの初めて見た」
(ま)「あ、昔ね。ミューとタントをなにで見分けるかと言ったら、これで見分けていたの」
(ぺ)「タントは目が点になる?」
(ま)「けどミューちゃんは点目にならない」
(ま)「最近あんまり目が点にならなくなったけど」
(ぺ)「時代の移り変わりですか…」

・ヌリ
(ぺ)「あとヌリ! ヌリって何者なんですか?」
(ま)「ぬりかべですよ。ぬりかべは水木しげるさんの妖怪で。
最初は私は他の妖怪と一緒で、昔からいる妖怪だと思ってたんだけど
あとでちゃんと調べたら実は『ぬりかべ』は水木さんのオリジナルだということが分かって」
(ぺ)「そうだったんですか?!」
(ま)「水木さんすいませんみたいな感じで」

(ぺ)「生まれはパズルの『ぬりかべ』から、ですよね?」
(ま)「そうですパズルが先です。前も言ったけど私あんまり考えないで描くので」
(ぺ)「笑」
(ま)「ぬりかべ? ああじゃあこいつかな、って描いて」
(ぺ)「そんなノリで生まれるんですね?! え、生まれて消えた子とかいないんですか…?」
(ま)「そういう意味じゃこの辺の媒体(※(将)注:各種新聞・雑誌・ミニコミ誌などのメディアのこと)にいたキャラクターたちは、媒体がなくなったからあんまり出て来なくなっちゃったよね」
(ぺ)「そっか…」
(ま)「月ニコのポーちゃんとかね」
(ぺ)「今では次ニコのアイコンにいるくらいですね」
(ま)「完全にいなくなったわけではないですけど、まぁあんまり出番はないですよね」

・まちがい探し90
(ぺ)「『まちがい探し90』とか見ていると『まちがいって90コも仕込めるんですか?!』って驚いちゃうんですけど」
(ま)「そりゃあ大変ですよ。いつもね」
(ぺ)「そうですよね?!」
(ま)「普通のまちがい探しだと、こっちの元絵描いたら、8割方できたも同然なんだけど、
『90』の場合はやっと半分、って感じだよね」
(ぺ)「そっか~こっから、まちがい差分を90コも描いていかなきゃいけないから」
(ま)「普通は多分そういうときって、まちがいを作りやすいようにいろいろ考えて描くんだろうけど。私は例によってそういうのがダメなので」
(ぺ)「ダメかぁ」
(ま)「そんなの考えずにとりあえず描いちゃって、あとで『なんでここでもっと細かく描かなかったのかな』とか過去の自分を罵りつつですね」
(ぺ)「生みの苦労…」
(ま)「要はまちがい探しの絵だってことをあまり考慮せずにとりあえず描いちゃうというね。あとのことは未来の私に苦労させようとね」
(ぺ)「未来の自分さんも大変ですね」
(ま)「昔あの、昔ってほど昔じゃないけど」
(ぺ)「うん」
(ま)「数えたら『91』あったってことがありまして」
(ぺ)「なんだってーーー」
(ま)「本当にそのときはなんていうか…「あんなに苦労して描いたのに1つ要らなかったのか」という非常にですね…はい」
(ぺ)「うわぁ」
(ま)「それにあの、『89』だと解いてくれる人に大変申し訳ないけど、多い分にはいいだろうみたいなねぇ」
(ぺ)「あー、89コ見つけて最後の1コがなかったです、だったら辛すぎる」
(ま)「一応『ペコンコーナー』で謝りましたけど。ということはありましたね」
(ぺ)「91だと見つけた人もすごいですね…」
(ま)「自分でもびっくりしたよ。あれ以来ちゃんと数えるようになったよ。それまでも数えてはいたけど、念を入れて数えるようになりましたよ」
・ニコリ190号小ネタ
(ぺ)「?! え~~~~なんか…ある…? 試されているのにわからない」
(ま)「いいですかネタバレしますよ」
(ま)「ここにニンとヤンがいたね」
(ぺ)「いるんだぁ~~~~~ほんとだ~~~~~」
(ま)「こういうとこ何描こうかなとか、すんごいなんにも考えないで描けるときもあれば
「何描こう~君たち何したい?」とか思う時もあるんだけど。
これの場合は「あ、ヤンがいるじゃん。ニンもいるじゃん」ってなって」
(ぺ)「並べてやろうと」
(ま)「並べてやろうと」
(ま)「一応ちょっと考えているのは、同じキャラばっか描かないようにはしている」
(ぺ)「あ~大事!」
(ま)「みんなだいたいおんなじ回数出てくるようにはしている。それはいつの号でもね、しているけどね」
・182号のまちがい探し
(ま)「全然関係ないけどこの月わかります?」
(ぺ)「つき わかります?」

(ま)「裏側なんですよ」
(ぺ)「! そういえばウサギの模様ない」
(ま)「いないでしょ、ウサギ。これは月の裏側なんです」
(ぺ)「裏側を見ているんですか彼らは?!」
(ま)「そうみたいですね。どっかにいるんでしょうね」
(ぺ)「へぇえ!!」
(ま)「なかなかみんな気づいてくれないから自分で言いふらしちゃうけど」
(ぺ)「いい話をきけました。…彼ら、我々と住む世界が違うんですか?」
(ま)「なんかだから、けっこうどこでも行けるんじゃないかね?」
…と、まりさんに2回に分けてお話し聞かせてもらいましたー!
大変ありがとうございました!!!!!