ペンシルパズルの会社、ニコリの(や)です。

さて、2025年もいつ間にやら2月になり、鬼も外へと出かけていきました。
冬の寒さが続く中、暖炉が恋しい季節になってきたのではないでしょうか?

…そう、ここで言う暖炉とはミステリー小説家の鴨崎暖炉氏のことです。

同氏は、第20回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞して、2022年に『密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック』で華々しくデビューされました。

デビュー作は大好評につきシリーズ化され、
『密室狂乱時代の殺人 絶海の孤島と七つのトリック』
『密室偏愛時代の殺人 閉ざされた村と八つのトリック』
と巻を重ねています。

タイトルからも察せられるとおり、とにかく作中は密室トリックのオンパレード。
ある理由により密室殺人が増えた日本で、次から次に事件が起こります。

本シリーズのおすすめポイントは、なんといっても密室トリックの質と量。
1つのトリックで1冊、本が書けるのではないか、という密室トリックを惜しげもなく詰め込まれています。
ミステリー界隈では「もう密室トリックのネタは尽きた」という言説が、ときおり口の端にのぼりますが、本シリーズを読むとまだまだ鉱脈は眠っているのだと、ワクワクした気持ちになります。

本シリーズ、どれも面白いですが、個人的には3作目の『密室偏愛時代の殺人 閉ざされた村と八つのトリック』が特におすすめ。
巨大な鍾乳洞の内部につくられた村、という特殊なクローズド・サークルの状況下で、とにかくいろいろな密室トリックが登場します。
…と言いつつ、1作目から読んだ方が楽しめるのでぜひ全部読みましょう。

さらに、以下のショートストーリー集にも氏の作品が1つずつ載っています。
どれももちろん密室ものでございます。
『衝撃の1行で始まる3分間ミステリー』
『驚愕の1行で終わる3分間ミステリー』
『3分で読める! 一日の終わりに読むお酒の物語』
(シリーズの続編が待ちきれず、その作家さんの短編がのった本にまで手を伸ばす、というのは個人的には初めてかも)

そんなこんなで、冬の寒い時期は暖かい部屋の内側で、福といっしょに鴨崎暖炉氏の作品を読みましょう、というお話でした。

~完~