どうも(ケ)です。
前々回の絵ヒントクロス、前回のタイポグラフィック・クロスと、画像をヒントに使ったクロスワードが続きました。
ふつうのクロスワードは、文章がヒントです。文章というのは、文字が順番に並んでいます。その並んだ文字を順々に読んでいくことで、文意すなわちヒントが伝えようとしている内容を読みとるわけです。多少の例外はあるものの、解き手はヒント文章を前から後ろへと順序通りに処理していかなければなりません。

線状に文字を並べた文章のヒントが「一次元のヒント」だとしたら、画像ヒントは「二次元のヒント」だといえるでしょうね。
ヒントが二次元になるとどう変わるのでしょうか。
まず、ヒントを処理していく順番が固定ではなくなります。解き手はヒントの画像全体をまず見渡して、画像の中の意味ありげな部分に注目し、その情報を組み合わせてヒントの文意をすくいあげます。
画像ヒントで、答えを一瞬で連想できる「見たそのままのヒント」は、このヒントの処理法の違いから生まれるわけです。

その一方で、細かい情報を詳細に正確に伝えねば解けないタイプのヒントの場合、これを画像ヒントで実現するのは困難です。その点については、文章のヒントのほうがスムーズかつ容易にできるでしょうね。
これは文字と画像の優劣というよりも、向き不向きや適材適所というべき特長です。

答えるべき言葉によって、文章にするとくだくだしくなったり、画像では表現しにくかったりという事態が生じることはしばしば。どちらかというと「画像で表現しにくい」言葉のほうが多いでしょうか。前にも「白湯(さゆ)」を例として出しましたよね。
絵ヒントクロスやタイポグラフィック・クロスの作り手は、そこに留意して言葉組みをしなければならないのです。だからこそ大変だし、だからこそおもしろい。
文章と画像でのヒントの違いは、こんな次元の変化とも解釈することができるのですね。

さて。
文章ヒントに一次元加えることで画像ヒントになるとしたら、さらに次元を増やすとどうなるのでしょう。
もう一次元といってすぐに連想しそうなのは「高さ」でしょうか。すなわち立体、3Dです。
3Dヒントクロスワード、パズル全体の見た目はおもしろそうですが、解くほうにしてみると絵ヒントとあまり差異がないような気はします。
立体になったヒントを触って解く、みたいなパズルに応用できる気もしますが、これはまた別の方向へ進化しそう。機会があれば検討してみたいものです。

ちょっと方向がズレますが、「盤面が立体のクロスワード」というのは頻出するアイデア。タテヨコのヒントに加え、高さのヒントがあるわけです。「未来のエンタメ」としてSFに登場しそう。どのように盤面に書きこませるのかという技術的課題はありますが、これが一般的になる時代は来るのかしらん。
個人的な印象ですが、3Dにするのならクロスワードよりはスケルトンのほうがロジカルでおもしろいパズルを作れるんじゃないか、という気がします。

「高さ」という次元にはさほど発展性が見いだせないのですが、次元はまだ残されています。
それは「時間」です。時間軸も、もうひとつの次元の方向なのです。

画像に時間が加わると、動画になります。動画ヒントクロスワードです。
ヒントに三つの次元を持つクロスワード、この方向性はありそうですね。
ただ、作るのは手間がかかりそうです。動画を見ないと答えられないから解く時間も長くかかりそう。

動画ヒントクロスワードと似た趣向のものに、ジェスチャーヒントクロスワードがあります。それぞれのヒントを、人が演じて伝えるのです。個々のヒントがジェスチャークイズになっているということです。ヒントを見ているだけでも楽しくなります。
ジェスチャーヒントクロスワードは過去に実際にやったことがあります。用意や出題がちょっと大変なのですが、対人ゲームとしての独特のおもしろさがありました。
そしてこのジェスチャーヒントクロスワードも、答えとして盤面に組みこむ言葉、よくよく吟味しないとジェスチャーができずに弱ってしまう事態になります。次元を増やすのもなかなか大変です。

最後に今回もクロスワードをどうぞ。
次元の一種である「時間」をテーマにした問題です。
クロスワードとしてはまったくふつうの問題です。どうぞお楽しみください。

それではまた次回。