どうも(ケ)です。
今回はまず問題から。2024年1問目のクロスワードは、絵ヒントクロスです。
それぞれのヒントが、言葉ではなく絵で表現されています。イラストを頼りに解き進めてくださいね。

さて。
以下の文章は、すでに問題を解いたことを前提にしています。
まだ解いていなくて、ネタバレをされたくないかたはご注意ください。

さてさて。
絵ヒントクロス、脳内で言葉を処理する部分と図像を処理する部分、違う部分を同時に使っていくところが独特な解き味を生むのにつながるんじゃないのかな、と勝手に考えたりしているのですが。
今回の絵ヒントクロスでは、いろいろなタイプのヒントを使ってみています。
文章を読んで答えを連想させるふつうのクロスワードに対して、絵から答えを導き出させる絵ヒントクロスには、また独特なヒントの手法があるのです。

まず第1のパターン。
答えの言葉をそのままの絵で描くヒント。もっともよく使われる部類だと思います。
今回の問題だと、ヨコ1やヨコ2、タテ9などが、このヒントのパターンですね。タテ12やタテ15などもこの部類に入るのかな。
この種のヒントは、すなおにそのまま答えればよいので、確実に解かせたいときに使いやすいですね。
このヒントの難点としては、「図像化しにくいもののヒントには使いにくい」点です。抽象的な概念や、形のないものをイラスト化するのは難しいですよね。
またものによっては、実物をそのまま忠実に描いたとしても、何が描いてあるのか、わかんない場合があります。例えば「サユ(白湯)」を絵に描くのって、意外と難しいと思いませんか。

そして第2のパターン。
答えの言葉につながるものを描くヒント。連想させた言葉と、文字数や文字の絡みから、正解の言葉を導き出せようというものです。
ヨコ14やタテ17がこの部類に含まれるでしょうね。それぞれ「闇夜の鉄砲・闇夜にカラス」や「みどりの日」を思いつかせる絵を描いていますが、それらそのものが答えになるわけではありません。

そして、第3のパターン。
書かれたものの言葉を足したり、あるいは取りのぞいたりして、答えの言葉を導き出すパターン。「絵の計算」ヒントと言うこともあります。
タテ7でいえば、肩に菜っ葉を置いた絵で「かた・な」すなわち「カタナ」が答えになります。ヨコ18ではマイナス記号が出てきてますが、リスと獅子から寿司を引いて「リシ」が答え。
このヒント、江戸時代の「判じ絵」にも起源をもつ、応用範囲の広いヒントです。描かれたものとは全然関係のない言葉が答えに出てきたりするので、おもしろい味のある手法だと思いますが、なぜかあまり評価されないこともあります。
まあ、好みに合わないのはしかたがないです。お好みの別の問題をお解きください、としか言えません。
ですがときには「絵の計算は手抜きだ」といわれることもあります。「絵の計算」ヒントが労力を惜しむためのヒントだと考えるのは、多くの場合で誤解ですよ、とは言っておきますか。
先も書いたとおり、「絵の計算」は判じ絵につながる伝統的な手法で、しかも多彩な奥深さもあります。このパターンのヒントを一概に否定しちゃうのはモッタイナイと思うのです。

さてさてさて。
最後に、地口を利用したパターンもあげておきます。
イヤこれは私が好んで使うだけで、特に定番のヒントの形式というわけではないですが、でも私が絵ヒントクロスを作るとこのパターンばかり出てくるのだよなあ。
今回の問題でも、ヨコ3は言葉そのままのシャレです。ヨコ13も、自分としては言葉そのままのシャレなのですが、でもちょっと変。状況が。というよりは作者のアタマが変。
自分で気に入っている過去のネタに「スイカを持つイカに誰何する」という絵ヒントがあるのですが(『パズル通信ニコリ』80号掲載)、これ、よく考えると何を言っているのかわけがわからない。地口になってるのかどうかもよくわからない。
今回の問題でも、この「地口になってるのかどうか意味不明」なネタをいくつも盛りこんでしまいました。ごかんべんください。

久しぶりに絵ヒントクロスを作りましたが、言葉と絵と両方のアタマを悩ませなくちゃならないんで、作家としては大変だけど楽しい時間でもありました。
それではまた次回。