どうも(ケ)です。今回は、まず問題をどうぞ。
いかがでしたでしょうか。お楽しみいただけたならさいわい。
さて今回の問題、一見して明らかですが(解いてない方は盤面だけでもご覧ください)黒マスがずらずらずらっとナナメに連なっています。全部で21個ある黒マスのうち17個がつながっています。こんなにたくさんの黒マスをつなげたのは、私もはじめての経験です。たぶん。
なんでまたこんな黒マス配置の問題を作ろうか、と思い立ったのかというと。
「斜めにつなげる黒マスの数には、越えてはならない上限がある」という意見があります。
上限がいくつまでか、それには定説がありません。3つまではOKとか、3つもだめ、とかいろいろ種類があるのですが、ともかく「上限以上に斜めにつなげてはいけない」という意味の声はよく見かけます。
この意見にずっと違和感を持っていたのです。なんでナナメにつなげちゃだめなの。
私自身の話で恐縮ですが、7×7マスのクロスワード盤面でしたら、黒マスの5マス連続ナナメ配置はよく使います。例えば下のような盤面。
手前ミソな評価になっちゃいますが、この黒マス配置、特に解きにくくはならないと思います(もちろん言葉組みやヒントなどに、充分な配慮をするのは大前提です)。
黒マスのナナメ連続を忌避する理由には、盤面の分断防止と関係があるのかもしれません。分断、いわゆるシマとは下のようなもの。
盤面の分断は、黒マスによって白マスのつながりが断たれた部分(シマ)がある状態です。クロスワードは言葉の絡みを使って解くパズルです。分断は、盤面全体としての絡みの否定。よほどの意図がない限り分断はNGだと、私もそう考えます。
盤面が黒マスで分断されるとき、特に大きな分断が起きるときには、たいてい黒マスの長い連続があります。盤面の分断を避けるため、黒マスの連続をどこかで断つのが必要。それは納得できます。
しかしナナメ配置そのものが分断を生むわけではない。
つまりは原因と結果の混同が起きてやしないか。
黒マスをナナメにたくさん配置しても、充分な配慮さえあれば、分断されている印象を与えない盤面になるだろう。その考えを実証してみたのが、今回の問題なのです。
言葉の絡みがずいぶんしつこい配置です。1つの単語でしか使わない文字を含む単語は、5文字単語6個と、11文字単語4個のみ。これだけ濃い絡みにしておけばそもそも分断感も薄れるでしょう。
また、言葉の一体感を増したくて、大きめの白マスのかたまりを作っています。例えばヨコ1の単語の直下にヨコ2の単語を並列させるため、黒マスのナナメ連続をくの字に曲げています。
余談ですが、この「くの字型の黒マス配置」がNGだという意見もときどき見かけます。くの字型配置は、他の単語と絡みのない白マスを作るので、使いどころに気をつけなきゃいけないのは確か。でもそれは禁止の理由としては弱いです。その配置で問題の質が上がるような目的ある配置ならば問題なし、というのが私の意見。
そんな考えのもとに作った問題なのでした。
とはいえ、今回くらい極端な配置は、やはりアレコレいびつだよなあ、というのも正直なところです。中央の黒マスを取り除いて、少し黒マスを足した、下図のような配置などが実はよいのでしょうね。このくらいにしておいたほうが、言葉組みも無理なくできると思います。そしてそのほうが、解き手をより楽しませられるんじゃないかしらん。
ではまた次回。