文章:(ケ)
12月10日発売「パズル通信ニコリ」169号。特集「小さいもの・こと」に、期待を膨らませている小さいものが大好きなかたもおいででしょうか。ニコリ編集部も発売に向けて鋭意編集中であります。
さてそんなある日。
世界一高い電波塔・東京スカイツリーそばを歩いておりました。
スカイツリーはでっかいねえ。
なんとミニチュア展をやっているではありませんか。
これはのぞいてみなければ。
などとわざとらしく強引な展開で失礼しました。
今回は東京都墨田区の「たばこと塩の博物館」で開催されている「館蔵ミニチュア展 小さなものの大きな魅力」を紹介しますよ。
さてどんなものが展示されているのかといいますと。
小さな小さな、高さ2センチほどのタンス。
なんとこの引き出しがちゃんと動くというのですから驚き。引き出しを動かすための小さな毛抜きみたいなピンセットも添えられていました。
童話のこびとが使うような小さなスズリや筆。下に写っているのは私(ケ)の指。指が巨大なのではありません。
これはコマ。直径1ミリほどのごま粒みたいなコマなのに、ちゃんと回して遊べるというのです。
ミニミニサイズのそろばん。時代を感じさせる5つ玉。これで計算するのは大変そう。
ちっちゃなちっちゃなビール瓶。きちんとラベルまで張られています。
この企画展、たばこと塩の博物館所蔵の「中田實(みのる)コレクション」を中心に、ミニチュア作品約1500点を展示しています。
写真の細工物を作り上げたのは、小林礫斎(れきさい)をはじめとする職人たち。どれにも職人の超絶技巧が詰まっていることは一目瞭然でしょう。まったくすごい技術です。そして、その技術を駆使して生み出されたミニチュアを、愛情もって集め続けたであろう中田實の情熱も伝わってくる展示なのです。
多種多様、多彩なミニチュアたち、目をこらして見続けると疲れてしまうほど。すみずみにまで微細なディテールが施されていますからね。
ここに紹介した以外にも、数多くの小さくなおかつ素晴らしきものが並んでいる空間が生み出されています。なにしろ小さいので並べ放題。思う存分ミニチュア世界にひたれます。
「館蔵ミニチュア展 小さなものの大きな魅力」、12月1日(日)まで開催中です。
次のニコリ発売日まで待てないと、小さいもの愛でたい欲を持てあましているかたがた、ぜひ来館してミニチュア群に詰めこまれた技巧と美とをご堪能くださいませ。
そして、たばこと塩の博物館、たばこや塩に関する常設展示もたいへんに見ごたえありますよ。そちらもじっくり楽しんでみてはいかがでしょうか。