文章:(も)
こんにちは。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
日々おつか令和でございます。
2019年5月に「平成クロスワード」という本をニコリは発行しました。
新聞雑誌の書評やプレゼントで採りあげていただいたり、
書店さんでは目立つコーナーに置いてもらっていたり、と、
ありがたい反応もいただいているようです。
そうなんですが、そもそも自分たちが思う
「平成クロスワードはこのへんが面白いよ」というポイントをもうちょっと言ってみたほうがいいんじゃないの、ということで、
このたびはそんなポイントを社内インタビューしてみようという記事です。
「隗より始めよ」という言葉もありますしね。ちょっと意味違う気もしますけどね。
インタビューする人は、平成クロスワード制作にほとんど関わっておらず、
あまり諸々の事象を知らないという理由により、私こと(も)が務めます。
それでは始めてまいりますが、トップバッターはやっぱり、編集人(溝)。
とてもボリュームがある本だし、制作期間も長かったので、
いろんなポイントがあろうと思いますが、
今回はダイジェスト版(?)ということで、箇条書きで書いてもらいました。
・クロスワードを解きながら、ジャンル横断的にその年を振り返れる
通常の「過去振り返り」だと、
政治なら政治の話ばかり、芸能なら芸能の話ばかり…と、
決まったジャンルをまとめてドンみたいな形になりがちですが、
この本だと「クロスワード」という性質もあって
思わぬ言葉と思わぬ言葉が交差しており、
「この事件とあのイベントは同じ年だったのか!」的な
新鮮な発見があったりします。
・事象の連続性が楽しめる
同じジャンルの言葉が別の年に入っていたりして、
なるほどこうやって事態が進んでいったのだな、とわかったりします。
政治関連だと政党の栄枯盛衰がなんとなくわかる、とか、
スポーツだとたとえば活躍する力士がどんどん移り変わるのがわかる、とか。
個人的には、探査機「はやぶさ」の打ち上げ、イトカワへの到着、
帰還がすべて各年のカギで触れられていたのが感動的でした。作者バラバラなのに。
そして「はやぶさ2」のことももちろん入ってます。
・意外と(?)真っ当な平成史の本になっている
各年の問題の次の見開きはその年の出来事についての解説ページです。
見開きの左端と右端はデータ的な羅列になっているのですが、
このように各種データを平成の年ごとにしっかりまとめた書籍は
あまり他にないようで、実は平成史の本としても優れているのかも。
・解説が(変な意味で)楽しい
解説ページでは、中央の2段を使っていくつかの出来事について文章による解説をしているのですが、
年によって内容がぎゅうぎゅう詰めだったりずいぶんあっさりしていたりして、
書いた人の個性がうかがいしれます。
ニコリ歴が長い人なら、編集後記などの癖からそれぞれの年を誰が書いたか当てられるかも
(例外的に2人以上の合作もありますが)。
・裏話(問題)
クロスワードパズルの本の常として、
同じ言葉が複数の問題に入ってしまっていたりします
(いちばん多い言葉は31問中10問に入ってます)。
それはまあしょうがないことではあるのですが、
ある程度長い固有名詞が続けざまに入っていると
さすがに解く方に「ん?」と思われてしまいそう。
そんなわけで、平成18年・19年の両方に入っていたある言葉と、
平成27年・28年の両方に入っていたある言葉については
それぞれ一方の盤面を組み替えて重複を解消しました。
どちらも6文字で、国内の政治・行政関係の言葉。片方は人名。
さあ何でしょう。どちらの言葉も片方の盤面には残っているので、
本を持っている方ならなんとなくわかるかも。
・裏話(写真)
今回、ニコリの本として初めて(かな?)、
時事通信さんや共同通信さんの写真を使わせていただきました。
そのあたりでもいろいろあったんですが
まあそれはそれとして、提供社名がない写真(11年分)は
ニコリスタッフが持っていたものや、あわてて撮影しに行ったものです。
奇跡の一本松は(ま)、姫路城は(ケ)、富士山は(竹)、
スカイツリーとあべのハルカスと東京ビッグサイトとジュリアナ東京跡地と自動改札は私のもの。
東京ビッグサイト以下の3つは入稿直前に1日で撮りました。
そして、天文関係の写真2枚(平成9年と22年)は(の)のご家族の撮影。
通信社の写真と並べても遜色のないものだと思います。ありがたや。
あと、マイナンバー通知カードは実は私のものなんですが、
「うっかり番号が写ってしまっていないか」
「このカードを載せたことでお役所から何か言われないか」
と2つの意味でドキドキしたのでした
(いや、今もドキドキしてる)。
ダイジェストでもなおふんだんなおすすめポイントであります。さすがは編集長。
何かもう、これだけで充分なんじゃないかという気もしてきましたが、
さすがに何かに怒られそうなので、ちゃんと他の人にも聞いていきまっしょい。
続いてクロスワードを2問制作し、その他解説ページもけっこうな分量書いたという噂の
(焼)に聞きました。
平成クロスワードは、カギのうち半分くらいがその年の言葉なので、
クイズの本としても楽しめるんじゃないでしょうか。出しっこしたり、家族や恋人と寄り添って解いたりしても面白いかもしれません。
そうすると、パズル好き、クイズ好き、歴史好き、芸能好きな方にも良いと思います。
「自分の生まれた年にメッセージを挟んで、親にプレゼントする」
というのをネットで見まして、そんなやり方もあるのかと感心したのですが、
そんな感じで、平成の中の自分の記念日がある年にちなんで、
その年代のワインを開けるように、
記念になる年から解いてみるなんていうのもいいかもしれませんね。
本当にこんなこと言ってたっけ。文にしてみるとやたらとヨコワケハンサムですね。
解説といえばこの人がすごく担当していましたよと(焼)が言うので、
続いては(竹)の弁です。
各年の解説ページの年表(「できごと」「DATA」欄)は
各年いろんな人が書いてバラバラにならないために、自分が通して書くことになりました。
で、「できごと」欄は、それぞれの年の主要なできごとが書いてあるんですが、その中にわざとそんなに大ニュースじゃない、マニアックなニュースを入れています。
ここに入ってないと絶対思い出さないようなニュースを入れることで、当時を思い出すよすがになればいいなと。ま、いいかどうか別として。
そう言って(竹)が見せてくれた例として「『オタマジャクシが空から降った』と話題に」というニュースがありました。言われてみれば確かにそんなニュースもあったなぁ、という感じになりますね。まさにその「言われてみれば確かに」感を感じていただければ…とのことです。
続いては営業(笠)のコメント。
そうですね…。「できごと」欄に、大きいやつだけじゃなくて、小さいニュースも書いてあって、読んでて面白いなぁと思いました。
直前に(竹)本人が言ったコメントとまさかのまるかぶり。なのでアウト…というより、書いた意図が思い切り伝わってて良かったねえ。
関西の某書店さんに平成クロスワードの見本を送ったのですが、
関西国際空港の開港とか、あべのハルカスについて記載があることについて反応してもらえたみたいですね。
各地で起こったことも載っているので、いろんな地方の人にも楽しく解いてもらえるかもしれません。
キャミソールが流行ったって誰が書いたか気になりましたけど、そもそもそんな流行ありましたっけ?
この疑問に関しその後、そんなことあったような気がする、こうでこうで、あーそういえば、みたいな感じで、わずかに盛り上がりました。
複数人で解くと、こういう盛り上がり方になるのねと、はからずも体感。
(笠)が「平成生まれの人はどういうふうに思うんでしょうね」と言うので、
社内の平成生まれにも聞いてみました。
物心つく前のまったく知らない年代の問題には、
「細かいところまで知れる面白さ」があると思いました。
今も通じてる言葉とかが、意外と古いところから始まってるものなんだ、と思ったり。
たとえば、平成4年は私は1歳なのでリアルに知ってるわけはないんですけど、
存在は知っている「きんさんぎんさん」は、この年のことだったんだ、とか、
○○さんの離婚はこの年だったんだ、とか、
何となく知っていることが「この年のこと」とはっきりわかるのが面白いですね。
知らない時期だから解けない、じゃなくて、
知らないことでもクロスワードだから何となく解けるところがいいんじゃないでしょうか。
予想としては、知らない年の問題は単純に面白くないんじゃないかと考えていたのですが、
非常に聞き甲斐ある、なるほどねえという回答です。
あと、マジで急に聞いたのにものすごくまとまった回答が即返ってきたので、
何だか意味なく動揺してしまいました。未来は安泰。
紙がね。紙がいいんですよ。カバーのマット感、高級感のあるデザイン、
本文はほんのりクリーム色でイメージを損ないません。
帯も普段は目にしない贅沢な手触り。紙好きにはたまりません。
こんなリッチなクロスワードの本は見たことがないのです。
クロスワードが大好きなあの人に、素敵な本の贈り物はいかがですか?
社内の組版担当ですが平成クロスワードにはほぼ関わっていない(川)のコメント。
紙好きというスタンスからの意見です。ぜひお手に取ってくだされ。
ということで「平成クロスワード」好評発売中です。
全国の、ニコリ本の取り扱いがある書店でお求めいただけます。
取り扱いがない書店でも、レジでのお取り寄せはどこでも可能です。
アマゾン、楽天などネット書店でも買えますよ…
ということで、現場からの声をお送りいたしました。
スタジオにお返しします。